ファミリーポートレイトの評価
ファミリーポートレイトについての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が2件掲載中です。
各項目の評価分布
ファミリーポートレイトの感想
「共依存」テーマの集大成的作品
桜庭一樹の作品遍歴に見る「共依存」桜庭一樹はまず、名前で誤解されがちですが女性です。そして、「共依存」をテーマに書かせれば、彼女の右に出るものはいないのではないでしょうか。というのも、彼女はデビュー以来親子関係についての作品を多く執筆しており、その全てが高い評価を得ているからです。「共依存」というのは心理学で、「特定の人間との関係性に過剰に依存している状態」を言います。例えばDV夫と妻の関係。DV夫は妻に暴力をふるうなど多大な迷惑をかけますが、同時に妻は夫の世話をすることに価値を見出してしまい、お互い苦しいのに相手に依存して離れられない。このような状態を「共依存」と呼びます。さて、桜庭一樹は1999年『AD2015隔離都市 ロンリネス・ガーティアン』でライトノベル作家としてデビューしますが、仕事もなく本も売れないという低迷期を長く過ごします。そんな彼女の出世作となったのが、2003年『GOSICK-ゴシック-』、...この感想を読む