金色夜叉の評価
金色夜叉についての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が1件掲載中です。
各項目の評価分布
金色夜叉の感想
未完の傑作『金色夜叉』
貫一お宮の悲しき恋全国有数の温泉地・熱海にある有名な貫一お宮の像は、『金色夜叉』を読んだことのない人もよく知っていることだろう。「(前約)月が……曇つたらば、宮さん、貫一は何処かでお前を恨んで、今夜のやうに泣いてゐると思つてくれ」と間貫一が、泣いてすがるお宮を蹴り、別れを告げた重要なシーンをモチーフにした像だ。『金色夜叉』は、金と愛に翻弄された男女の悲しい恋を描いた作品である。お宮に一方的に別れを告げられた貫一は、以降冷酷非情の高利貸しとなって生きていく。一方、お宮は貫一を裏切る形で資産家の富山唯継と結婚するが、決して幸せではない人生を送り、その心にはいまだに貫一への未練が残っている。なぜお宮が貫一を振って富山に嫁いだのか、理由は明らかになっていない。作者・尾崎紅葉が、未完のままこの世を去ってしまったためである。尾崎紅葉の急逝以降、様々な文学者や研究者が『金色夜叉』の本旨を読み解こうと...この感想を読む