噂の女の評価
噂の女についての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が1件掲載中です。
各項目の評価分布
噂の女の感想
強かな女性の強かな物語
「噂の女」とは読み始める前はタイトルとおり、それぞれの話の舞台で噂になっている女を書き出した話だろうと思っていた。ちょうど「マドンナ」を読んだところだったのもあり、そのような展開だろうと思っていたのだ。しかし今回の作品は、“噂の女”は一人で、彼女の周りの人たちを主人公に描いた話だった。それに気づくのは短編も2話目になったころで、そうなんだ!と気づいたときはとてもワクワクして、これからこの女性はどうなるのかととても先が気になるストーリーだった。“噂の女”である糸井美幸は、この本の中でもどんどん垢抜けて美しくなっていく。そしてそもそも絶世の美女でないところがよい。化粧と色気で化けるほうがなんともリアルだからだ。高校時代は地味で目立たなかった彼女が、短大で見事にその能力を目覚めさせ、変化していくさまは見ていて心地よい。知的さを感じさせる美幸とは対照的に、あっさりと色仕掛けに負けてしまう男たち...この感想を読む