花の鎖の評価
花の鎖についての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が2件掲載中です。
各項目の評価分布
花の鎖の感想
美しく哀しい鎖に縛られた3代にわたる女性たち
3つの話が同時進行する展開この「花の鎖」は湊かなえらしい魅力に溢れている。全体の構成としては3つのストーリーが同時に進行していくのだけれど、それぞれの主人公たちのつながりとその関係が分かると同時に、今までより余計にストーリーから目が離せなくなってしまう。大体話の結末が見えてしまったり、そうでなくとも全体的なストーリーの峠を越えてしまうとその後加速度的に内容がつまらなくなってしまうときがあるけれど(それは映画でもよくある)、今回の作品においてはそれは全くなかった(ラスト以外)。3人のつながりが全く分からないときでさえ、巧みな心理描写で主人公たちの気持ちに十分感情移入してしまっていたのに、その3人の関係が分かるという物語の“峠”を越えてさえ、まだ読者の気持ちを離さないストーリー展開はさすがと思った。また、タイトルの「花の鎖」は初めて見たとき、いささか古すぎるセンスではないかと思った。そこは...この感想を読む