放浪記のあらすじ・作品解説
「放浪記」は、林芙美子による自伝小説である。1928年に芸術誌に連載され、1930年に改造社より初版が発行され、2004年にはみすず書房より単行本化された。 この小説は、著者の林芙美子が綴っていた自身の日記をもとに、第一次世界大戦後の昭和恐慌の中、恋人との別れや貧困にも負けず、女中や女工など様々な職を経験しながら、ひたむきに生きてきた人生をつづったものである。当時の昭和恐慌の中でも、本は売れベストセラーとなり、林芙美子の名を世に知らしめた作品でもある。 1961年、菊田一夫の脚本・演出により舞台化された。主演は、一貫して森光子であり、2012年に死去するまで森光子のライフワークとして演じられていた。特に、喜びを表すためにでんぐり返しをするシーンは、舞台放浪記の代名詞となった。2015年、仲間由紀恵主演で、上演が復活した。また、三度にわたって映画化・ドラマ化もされるなど、現代にいたるまでにメディアミックスが盛んな作品である。
