皆に嫌われてもいいぞ。好きな人に沢山好きになってもらうんだったら、そっちの方がいいやん。
佐藤カナオ
理解が深まる映画レビューサイト
映画レビュー数 5,784件
この夫婦いい、すごくいい。夫婦が一緒に暮していれば楽しいこともあれば、つらいことも当然ある。本作でもかなり大きな壁にぶつかるけれど、視点は必ず夫婦。それに対して翔子がどう思ったか、カナオがどう感じたかというところがとても丁寧に描かれている。赤い口紅のくだりは微笑ましいし、赤ちゃんのイラストが出てくるところは泣かずにはいられないし、DVDのパッケージにもなっている金屏風の前で写真を撮る姿は、とても二人らしい。失礼ながら華のある役者さんではない2人が主演ということで、リアリティが増している。自分だったらと考えたり、すぐ近くにいそうと思ってしまう親近感を感じるのは、木村多江さんとリリーフランキーさんだからこそ。静かに憧れる夫婦。
リリーフランキーさんの独特のゆるーい空気感でちょっと適当で女好きの旦那役と、木村多江さんの生真面目で、旦那に尽くす妻役がとてもピッタリでした☆ 時代背景も、ちょうど1990年代が舞台となっており、旦那様が画家を目指す傍ら法廷画家のお仕事をしていて、裁判シーンの、特に加瀬亮さんの演技がかなりリアルで凄かったです。また当時の事を思い出し、あぁ、そんな事件あったよなぁと改めて思い出しました。キャッチフレーズの「めんどうくさいけど、いとおしい。いろいろあるけど、一緒にいたい。」この映画も夫婦の10年の出来事を描いてますが、10年一緒にいれば、本当にいろんな事があって、嫌な事、大変な事、いっぱいあるけれど、一緒にいたい。一緒に乗り越えたい。そう思えるのも夫婦と改めて気づかせてくれます。 DVDのジャケットが映画の中のワンシーンなのですが、とても素敵です。
佐藤カナオ
必要以上に相手の反応を気にするがゆえに自分自身にちゃんとすることを強要してしまうカナオの妻である翔子。 赤ん坊が死んでしまったことでうつ状態になってしまう。パニック状態の翔子にカナオが告げた台詞。