サイドカーに犬の評価
サイドカーに犬の感想
偉大なる記憶。
たかが一夏の思い出、されど一夏の思い出主人公がふと思い出した小学生の頃の夏の思い出。残念なことに個人的にこんなに色濃い夏休みの思い出がないのでとにかく羨ましかったりもする。夏休み開始とともにいなくなった母。その穴埋めにやってきた父の愛人。天真爛漫で豪快なヨーコさんは色で言うなら赤とか青とかではなく、まさしく虹色。熱い赤い色の部分もあれば、愛人と言う立場の哀しい紫色の部分もある。そのカラフルなヨーコさんと母との違いが大き過ぎて戸惑ってしまう主人公。子供のときはいつも周りにいる大人が大人としての基準になる。いきなり基準から大きく外れた大人が舞い込んできて、戸惑う気持ちがよくわかる。散歩ルートが広くなった犬主人公と弟の大好物、麦チョコ。普段は少量しか買ってもらえずちまちまと食べている麦チョコ。そんな麦チョコを豪快に何袋も買い、大きなカレー皿に盛ってくれるヨーコさん。それをもらう子供たちは餌を...この感想を読む
父の愛人と、ちょっと冒険
竹内結子さん…この人なんでこんな大雑把でテキトーっぽい役柄も似合うの…!でも繊細な役の時の彼女も大好きですよ。ドラマですけど「薔薇のない花屋」がイチオシ。出てった母の代わりのごはんを作ってくれる人として、竹内さん演じるヨーコさんがやって来て。父は中古車販売業をやってて、ヨーコさんは父の愛人で。ヨーコさんは結構いろいろ、割ととんでもないことも含めて教えてくれます。そんなちょっと妙な状況を、薫目線で追う作品。薫が10歳くらいだという絶妙な年齢設定がまたいいですね。これがもうちょっと大きければ反抗期だったり父とその愛人という機微を変に捉えてしまったりで、こんな風にはヨーコの存在を受け入れなかったかも。ジメッとしてるようなカラッとしてるような、独特の雰囲気の映画です。こんな出会い、忘れられないだろうな。