嗤う伊右衛門の評価
嗤う伊右衛門についての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に映画を観たレビュアーによる評価が1件掲載中です。
各項目の評価分布
嗤う伊右衛門の感想
一番切なく、美しい四谷怪談
日本の民俗を海外に「嗤う伊右衛門」を視聴した感想です。「何だかすごいものを見てしまったな」という衝撃というか、見た後にすぐに動けないような感動がありました。感動というのは、涙が流れるような事ではなく、単純に心を動かされたという意味です。世界観がまずすごいと思いました。テレビの時代劇なんかを見ると、殿様はもちろんのこと、平民も皆小綺麗な様子をしています。しかし、この作品では、平民の貧しさが詳しく表現されています。泥だらけの家屋、泥と垢にまみれた貧しい人々の姿、雨漏りを受ける、欠けた茶碗…。また、冒頭で遺体を入れた桶を担ぐ二人が登場しますが、日本がまだ土葬であった頃の、何ともいえない昏さを感じます。怪談を語る上で、こうした泥の臭いのする日本の民俗文化、生活環境といった要素は切り離せないのではないかと思います。日本の怪談物の怖さは、怖いものに遭遇した単純な恐ろしさではなく、ほの暗い闇の中にゆ...この感想を読む