マレーナのあらすじ・作品解説
マレーナは、2001年に公開されたイタリア・アメリカ映画である。監督・脚本は、「ニュー・シネマ・パラダイス」「みんな元気」「海の上のピアニスト」のジュゼッペ・トルナトーレ。音楽は、「荒野の用心棒」「ミッション」のエンニオ・モリコーネ。出演者は、モニカ・ベルッチ、ジュゼッペ・スルファーロ、ルチアーノ・フェデリコ、マティルデ・ピアナ。 1940年のシチリア。12歳の少年レナートは強烈な印象を残す町一番の美女マレーナと出会い、惹かれていく。マレーナには戦地に出征している夫がいるのだが、やがて戦死したという悲しい知らせが届く。未亡人となったマレーナは自力で生きていかなければならず男達の愛人となるが、その事が町の女性達から激しい反感を買うことになるのだった。 一人の女性が時代に翻弄されていく悲劇を、少年の目を通して描かれていくドラマである。 アカデミー賞にて撮影賞と作曲賞にノミネートされた。 2013年にBlu-rayが発売されている。
マレーナの評価
マレーナの感想
イタリアの良さが詰まった作品
イタリア映画の良さは、質の高さだと思います。人間味といい、ストーリーといい、壮大さはそれほどなくても、とても密接な何かを観ている気がして、同じ映画というくくりの中でも、体験できることの質が他の国の映画とはまったく違うような気にさせられることが多いと思います。マレーナは、イタリアの戦時中のシチリアが舞台になっていますが、今でもイタリアって郊外を歩いてみると戦争の爪痕が残ったままというか、けっこうボロボロになったままの家が並んでいるエリアがあったりするんですよね。同じ敗戦国だからなのか、国民の美意識なのか、美しい彫刻や石の建物が立ち並ぶだけの町並みではないイタリアを旅していると、なんとなく日本の昭和に似たものを勝手に感じてしまうのです。この作品の魅力は、イタリア人の男の子の性への芽生えがとても素直に描かれているところと、イタリア人の持つ女性への力によるものではない、宗教的なまでの服従心とい...この感想を読む
エレガント
エレガントな映画ですかね。面白かったです。最初は、単なる思春期前期の性春?奮闘記のような映画になるかと思い、一度は見るのを止めそうになりました。エレーナを見る少年の思いが次第に純化されていく過程がとても興味深かったです。思いが純化されていく契機に戦争を通した悲劇が絡んでいる。最後まで見てとても感慨深い映画であると思いました。エレーナもそんなに超然とした雰囲気を持たずに、もっと庶民的な親しみさを持っていれば、あんな悲劇はなかったのかも・・それを美しさのもつ悲劇というのか。思春期の少年の未熟な想いをひたすらに綴った作品です。ほんとうにただそれだけ。複雑な時代を背景に『人間』というものを描くふりをしつつ、実際のところは他に何も描かれおりません。少年の目を通して一緒にマレーナを見守っていたような気分になった。少年の切ない恋心を心から感じることはできなかったが、ただ見守るしかない切なさと、何より...この感想を読む
女は怖い生き物だ
シチリア島の美しい街並みと美しい海、そして、美しい女性、マレーナ、この映画には美しいものがたくさんおさめられています。主人公のレナートは多感な少年で、マレーナの魅力に取りつかれていきます。マレーナは街を歩けばだれもが振り返るような美人で、反面、女性からはものすごい嫉妬をされています。モニカベルッチは本当に美しくて、肉感的でみていてため息が出るくらいです。物語は戦時中から戦後間もなくという時代の出来事で、特に、終戦後の女性たちのマレーナに対する仕打ちは、ただ敵国兵と恋仲だったとかいうレベルを超えて常日頃抱いていた嫉妬心が暴発したように感じました。レナートもさぞやショックをうけたことでしょう。歳を取って輝きを失ったマレーナに、何事もなかったかのように優しく接する島の女たち・・・怖かったです。
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