北斗の拳の感想一覧
漫画「北斗の拳」についての感想が4件掲載中です。実際に漫画を読んだレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。
北斗神拳の伝承者にケンシロウを指名したことは適切だったのか。
ジャギの怒りの正当性北斗神拳は一子相伝の暗殺拳という設定である。ケンシロウの先代であるリュウケンは男児に恵まれず北斗神拳の伝承者候補として4人の養子を育てた(それ以外にも以前は候補となる子供たちがいたようだが…)ことになっており、最終的に末弟のケンシロウが伝承者に選ばれたのだ。3男ジャギはこの決定に大いに不満があり、伝承決定後、ケンシロウを殺そうと襲い掛かっている…しかしこのジャギの憤怒はあながち間違いだとも言い切れないのではないか。当のジャギはクズキャラクターなので伝承者としてはありえないとしても、長兄ラオウや、次男トキは伝承者として不足があったようには思えない。特に継承時のケンシロウは修羅場もくぐっておらず、実力的にはラオウやトキ(発病前)にはとても及ばない気がする。そこでまずなぜケンシロウが伝承者に選ばれたのかを考えてみる。理由として考えられる3つの理由①北斗神拳創始者の正統血統だっ...この感想を読む
北斗の拳キャラ考察!
ハート様はいい人?それとも悪人?マンガ「北斗の拳」に登場する人気キャラ「ハート様」。彼は本当に悪人だったのかそれを考察していきます。まず、ハート様の初登場シーンについてです。KINGの領土の首都サザンクロスのバーで部下がバーの店員を脅している際、部下に対して「やめなさい!」と一喝!そして、バーの店主を「大事な労働力」と丁寧に接するハート様。他のKING幹部と比較すると、他のものはKING領土の住民をおもちゃのように扱い、虐〇しており、そこに現れたケンシロウに制裁を加えられております。一方で、領土の住民を大事にするハート様。ほかのKING幹部と比べて私は最初に読んだときはいい人のように感じました。しかし、ハート様は血を見ると暴走してしまうという特殊体質をもっており、ここでもテーブルの上にあったガラスの破片に触れて出血し、暴走した末にバーの店主を含めた住民や部下を惨〇してしまいます。しかも、そのあと「殺し...この感想を読む
北斗の拳の魅力とは?
葛藤の中で生きるキャラ達覚える不思議な感情北斗の拳の中で多用されているワードの一つに「宿命」という言葉がある。ケンシロウはじめ作品の中に登場するキャラクターはこの宿命に従って自分の行うべき役回りを自分のエゴを捨ててまで理解し、ある種演じている。師が一人で弟子が複数いて最終的に一人しか北斗神拳を継承できない、これが北斗の拳の中での宿命の意味だ。時として兄弟で殺しあうことも強いられる。それぞれのキャラクターたちの宿命とエゴの葛藤は北斗の拳の面白さ、奥深さの要素になっていることは間違いない。読み進めていくうちに極悪非道だと思っていたキャラクターが宿命のために自ら悪役となっていることに気づかされ彼らに感情移入している自分がいる。そして、誰が正しいのかわからなくなり形容できない虚しさのようなものを覚える。これは北斗の拳の魅力だ。救いがたい悪役を叩きのめす痛快さ北斗の拳の魅力は何か?と聞かれたとき...この感想を読む
モデルとなった人物が多い
「北斗の拳」の登場人物は有名人をモデルにしていることが多く、ケンシロウ=ブルース・リー+マッドマックスのメル・ギブソンというのは有名です。ケンシロウは主人公なので当然のように強く、ブルース・リー+メル・ギブソンもモデルにされた甲斐がありますが、実際には強いのに「北斗の拳」の中では中途半端な雑魚キャラに描かれているので個人的に少しがっかりした有名人もいます。牙一族の首領で崋山角抵戯の使い手である牙大王がそのうちの一人です。牙大王のモデルになったのは、ジャッキー・チェン主演映画「プロジェクトA」で海賊の首領ロウ・サンを演じたディック・ウェイです。ディック・ウェイが演じたロウ・サンは単なる敵のボスというわけではなく、ジャッキー・サモハン・ユンピョウが初めて3人で出演する映画のラスボスで、最後の格闘シーンではジャッキー・サモハン・ユンピョウ・火星の4人を相手に大暴れするという最強クラスの大ボス...この感想を読む