積極−愛のうたのあらすじ・作品解説
積極~愛のうた は、谷川史子の漫画作品で、コーラス誌上にて2006年3月号に掲載された短篇作品が収録されており、単行本として全1巻を刊行している。 今作品は、表題作品、スパイラルボディ(コーラス2006年7月号掲載)、風の道(コーラス2004年10月号掲載)がある。 M女子大の国文学科の助手・村主美幹(すぐり みき)22歳は、老教授・鳥野に色気を感じている。日課の鳥の餌やりや、破れたポケットにパンくずを入れてしまい、ボロボロとこぼす姿をたまらなく愛おしいと感じているのだった。卒業を間近に控えている村主は、同時期に定年を迎える鳥野教授の資料整理を手伝うことが、助手としての最後の仕事になる。最初の授業のとき、鳥野教授が、亡くなった妻が悲しむからことを理由に、女子学生と席を共にすることを極力さけ、視線すらほとんど合さないと宣言したことをきっかけに感心を持った。 そんなある時、同棲していた1歳年下の荒川に、別れを切り出されてしまう。ショックを受けた村主は鳥野教授と居酒屋で飲み、そのまま倒れてしまった。目を覚ますとそこは鳥野の自宅。帰宅する村主に、青りんごを渡す鳥野教授。その意味とは!?
積極−愛のうたの評価
積極−愛のうたの感想
凛々しい少女の横顔の先に見える人。
少女の横顔が表紙、というのは印象的です。シンプルでありながら、引きつけるものがあります。谷川さんは大変多くの短編漫画を描かれておられますが、その都度、きちんと違うものを描かれていることに、本当にプロ意識を感じます。『積極』もまた、他に見たことがない物語で、とても切ないお話です。絵は、とても可憐で、ふわりと柔らかく、丁寧できれいな細い線で描かれています。谷川さんらしいです。是非、小学生・中学生の少女達にも読んでもらいたいと思います。こういう、儚くて美しくて優しい恋愛をしてほしい。主人公の相手となる『彼』は、必ずしも若くてかっこいい人だけではないのです。