Kids Return キッズ・リターンの評価
Kids Return キッズ・リターンについての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に映画を観たレビュアーによる評価が1件掲載中です。
各項目の評価分布
Kids Return キッズ・リターンの感想
生きていれば、何度でもやり直せる
マサルとシンジの分身、「南極55号」の視点この映画のひとつの特徴に「視点」があげられる。冒頭の漫才コンビのカットでは、舞台袖から彼ら二人と、それを見守る男一人の背中を映し出している。彼らの舞台が正面から撮られることはない。このどこか違和感のあるカットは、観客の数、寄席の規模、彼らの正体や人気度を隠すという意図以上に、見る者を不安にさせる要素を持っている。漫才師二人が何者であるのか全くわからないわけだし、その直後に出てくる主人公二人の再会シーンとどう結びつくのかも想像できない。似たようなカットが高校時代の回想(これが大部分を占めているわけだから、回想という言い方はどこかおかしいかもしれないが)シーンの初めにあらわれる。授業を受けている生徒が教室の窓から主人公二人を見下ろすカットである。自転車の二人乗りをして校庭を走り回る彼らを見る生徒の視点。これが、冒頭のカットと類似性を持っている。さら...この感想を読む