フル・モンティの感想一覧
映画「フル・モンティ」についての感想が4件掲載中です。実際に映画を観たレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。
イギリスらしいいい作品
イギリスシェフィールドといえば、かつてはイギリスを代表する一大工業地域で、その生産するステンレス製品や銀器はブランド化されているほどですが、今は失業者を大量に抱える町でもあります。そんな中で、未来に希望を失った労働者が起死回生を狙う様子を綴ったこの物語は、軽妙で洒脱・面白い作品に仕上がっていると思います。英国映画のいいところは、上流階級の知的で華やかなところを舞台にしても・一般庶民の生活を舞台にしてもユーモアと知的センスに溢れる作品に仕上げるところではないかと思います。この作品にも、男前スターも派手なアクションもありませんが、何回みても味わい深いいい雰囲気があり、それぞれの登場人物に感情移入して楽しむことができます。
全部脱いじゃえばなんてことない
失業した6人の男が、それぞれ事情がありながらも「金になるなら何でもする!」と腹をくくって、失われた生活を取り戻したい一心でストリップの練習を始める。しかし脱落者が出たり、会場代が払えなくて元妻にお金の無心をしに行ってあっけなく断られたり、工場跡地で練習してたら警察に連行されて万事休すと思ったら、このことが新聞に取りざたされて、逆にチケットがバカ売れしてしまったり、そのことがあってからメンバーに火が着いて練習にも実が入る。そして、ついに本番の日。日ごろの練習の成果を遺憾なく発揮できるか・・・・・・!?この作品が映像化されるや否や世界中で「フル・モンティ」ブームが起こり、ブロードウェイでも舞台化されました。さすがにその際は全裸はなかったそうですが、それでも世の女性たちがこの作品を絶賛したと思います。この作品のおすすめシーンは、銀行で順番待ちしていたメンバーたちが、みんなこっそり同じ動きをする...この感想を読む
英国コメディの傑作!!
ロバート・カーライルといえば「フル・モンティ」と言っても過言ではないどころか、英国コメディの最高傑作と言ってもいいかもと思えるくらいの作品です。色々悩みを抱えたオッサンたちが、体で稼ぐ!とストリップを始める話です。そんなオッサンたちの奮闘を、ただ面白おかしく描くだけではなく、英国社会が抱える問題も挟みながら、絶妙なセンスで笑いを取っている、非常に良くできた映画です。イギリスはそういう映画作るの巧いからなぁ、ただ面白いだけとか、ただ悲しいだけとかいう映画はあんまり作らない。そしてこのメンバーの中で、いつの間にかゲイのカップルができるのも、何かとても英国らしいな~と思いました。
しょーもない男達のささやかな宴
日本に住んでいると、イギリスは紳士の国というイメージがなんとなくするわけですが、実際は失業率もそこそこ高く、ならずものが昼からビールを飲んでたりする国でもあるわけです。この映画では、そういうだらしなく、しょーもない男たちがイッパツ当てるつもりでストリップを思い立つ、というよくわからん展開が、ちょっとおもしろい。主演のロバート・カーライルがだめオヤジぶりを遺憾なく発揮していて、うっかり好きになってしまいます。脇をかためる面々も、悪気はないけどけっこうダメ、で哀愁を誘います。なんとかこぎつけたストリップシーンに間違って(笑)感動してしまいました。感動大作!とかじゃないけれど、ちょっと楽しくなれる、肩の力を抜いて見れる話です。