物語の流れが美しくまとまった秀作
読者を惹き付ける導入部の上手さ『プピポー!』は押切蓮介氏による2007年から2009年までFlexComixブラッドにて連載された物語です。全三巻という読みやすい漫画として仕上がっています。前半はギャグ展開が多めで謎のピンク生物のポーちゃんの造形もとぼけた親しみが沸くデザインとなっています。ストーリーもシリアスなものではなく、全体的に明るく適当な雰囲気を漂わせているため作者の過去作『でろでろ』に通じるものを感じるかもしれません。ですが本作は一貫したストーリーをもつシリアスな漫画でもあります。ラストに明かされるポーちゃんの正体を知ったときに読者は胸を締め付けられるでしょう。またギャグからシリアスな展開への移行も見事なものとなっています。ギャグとシリアスが混在した世界観ホラーとコメディが紙一重なように、作者の本作における世界観もギャグとシリアスが混在した世界観となっています。例えば主人公の若葉ちゃんが人や霊...この感想を読む
4.54.5
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