屍鬼の感想一覧
漫画「屍鬼」についての感想が4件掲載中です。実際に漫画を読んだレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。
殺し合いの先にも殺し合いしかないだろう
意志がある別の生命体になる屍鬼は、人間が屍鬼に殺されることで感染し、ふたたび命を宿す生命体と言えるだろう。人間だった者が人間ではなくなるが、記憶もすべて継承し、また新たな存在として生きていく、というような状態だ。紫外線に当たってしまうと溶けて消滅するため、ゾンビよりも格段に体は弱っちいが、知能は人間そのもの。夜の闇に紛れて活動し、着実にその種を増やしていくのである。普通に家屋の屋根裏・天井裏に棲み付いている様子はギャグっぽい。こんなにシリアスホラーなのに、隠れる手段が雑すぎるからだ。屍鬼は狙って人間を殺して仲間にしている様子で、そこにはもしかしたら愛もあるのかも…と思わせるのが少しせつない。多少、もう死んじゃった体だし、人間としては生きていけないから、やけくそになってるんじゃないだろうかとも思う。意思を持っているとはいえ、屍鬼の沙子のほうも迷いながら進んでいる気がするし、自分たちの在り...この感想を読む
人と人ならざる者の壮絶なバトルロワイヤル
よくあるゾンビより質が悪い生きるか死ぬか。人間と屍鬼のバトルが閉鎖された空間の中で巻き起こるデスゲーム。屍鬼は特殊で、屍鬼に噛まれて感染するあたりは、よくあるゾンビの物語と同じなんですけど、意思があるんですよね。そして狙ってそいつを仲間に引き入れる。紫外線に当たると溶けちゃうから、夜にしか活動できないっていうのはドラキュラと組み合わせてるっぽいです。昼間は日の当たらない床下や天井裏などに潜み、夜になると活動を開始。怖いわ~…清水なんてもう夏野への執着が恐ろしくて、怖すぎた…頭をぶち抜けば死ぬのではなく、体のど真ん中の大事な部分をぶっ壊されると完全に死んでいくという屍鬼。よく尾崎さん発見したな~と思います。医者として、何らかの伝染病を疑い、何とか死因を特定し防ごうと努力する。とても医師として立派だったと感じます。次々に身近な人間が亡くなっていく恐怖。そしてなぜか「起き上がり」再び目の前に...この感想を読む
小野不由美の代表作と藤崎竜のタッグ
人を外れた存在。人の生き血をすする存在、屍鬼。対する人間の胸に浮かぶのは、悲しみか憎しみか。『屍鬼』は、一般的にはホラーと分類されることが多い作品だ。確かに、間違ってはいない。今なお土葬が行われる山間の村に蔓延する死の病気。死をもたらすのは、死してなお人としての意識を持ち続ける吸血鬼ーー屍鬼たち。屍鬼たちは人の道に反していることを自覚しながら、空腹に抗うことが出来ず、かつての友人、家族、恋人を襲い血をすすっていく…。この小野不由美の長編小説が、『封神演義』で知られる漫画家・藤崎竜によって漫画化された。原作『屍鬼』はもともと挿絵のない小説であり、住職・室井静信や村唯一の医者・尾崎敏夫などのキャラクターが藤崎竜の手によって初めてデザインを起こされた(ただし、主役たちはまだまともなデザインが多いのだが、端役のキャラはよくも悪くもケレン味溢れる「フジリュー」の色が強く現れているので、苦手な人は...この感想を読む
爆発
徹ちゃんに吸われた事で、ついに起き上がってしまった夏野。前巻はかなり衝撃的でした。主人公までこんな目にあわすとは、なかなかすごい漫画です。8巻では、起き上がった夏野に、辰巳が接触してきます。ここで人狼の設定が明らかになってくるんです。そして辰巳から、おれたちの側に来い!と言われるけど、当然夏野は拒絶。すると辰巳の目つきが一気にかわります・・・。この目がまた怖いんですよね。夏野も堂々としてて怖いです。そしてついに尾崎先生も血を吸われ、ついに屍鬼に近づくんです。でもまだ死んでないみたい。今回もすごいことになってました。続きが楽しみです。