ポーランドの苦悩の歴史を描き続ける社会派の巨匠アンジェイ・ワイダ監督の「大理石の男」
このポーランド映画「大理石の男」は、1957年の"第二次世界大戦中にファシズムに抵抗し、ポーランドの首都ワルシャワで蜂起した若い男女が地下水道に潜り込み、悪臭に満ちたガスと泥水の中で無残にも死んでいく姿を怒りを込めて描いた「地下水道」"と、1958年の"ソビエト軍によって解放されたポーランドで自由主義の抵抗派の若者が国家に幻滅し、テロリストになって新政府の要人を暗殺していくさまをストイックに描いた「灰とダイヤモンド」"で知られる世界的な社会派の巨匠アンジェイ・ワイダ監督作品です。 アンジェイ・ワイダ監督は、1950年代にポーランド映画界の新しい旗手として颯爽とデビューしましたが、彼の映画は、ポーランドの社会構造に鋭いメスを入れ、社会主義下の人間と自由の在り方を追求して止まない作風の映画作家です。この「大理石の男」は、ソ連のスターリンの影響下におかれていた1950年代のポーランドを対象に据えていて、脚本は1963...この感想を読む
5.05.0
PICKUP