失恋すると僕はジョギングする。体の水分を蒸発させ、涙を出ないようにするんだ。
警官223号・モウ
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映像、テンポ、音楽が観るものを引き込んでいく。麻薬密輸組織のリーダーの女が仲間に裏切られ、復讐し逃走する。一方で、女に振られ、わずかな希望を抱いたまま自分の誕生日の夜を街のあちこちで過ごす刑事。この男女が出会い、ホテルで過ごし(セックスしない)朝を迎え、男が去る。そして入れ替わるように、飲食屋の店子と地域の警察官が登場し、振られたばかりの警察官とこの警察官に思いをよせる店子。店子は警察官の別れた女から警察官の部屋の合い鍵と手紙を託され、その鍵を使って黙って警察官の部屋に入り、模様替えや掃除など楽しむ。やがて見つかり、警察官は彼女をデートに誘うが、女はカリフォルニアに消えていた。という二つのストーリーで構成されます。正直、もしこの映画の脚本だけを買って読むなら、特段、何の感動も起こらないというのが正直なところです。では、どうして、この映画に惹きつけられるのか。それは、やはり映像、テンポ、...この感想を読む
香港の繁華街である尖沙咀(チムサーチョイ)にある重慶大廈という雑居ビルを舞台に、2人の警官のそれぞれの物語が印象的な映像と音楽で描かれています。失恋した警官223号に金城武、CAの恋人に振られる警官663号にトニー・レオン、663号の通いつけの飲食店の店員フェイをフェイ・ウォンが演じています。663号の部屋のすぐ上空を飛行機が飛ぶシーンや、663号の白ブリーフ姿、爽やかで印象に残ります。フェイの行動にはらはらさせられますがピュアで憎めないし、おしゃべり好きなフェイのおじさんも面白キャラです。223号が日本語を話すシーンは、内容が日本人には笑えます。ストーリーは予想しにくい方向で収束します。ママス&パパスの『夢のカリフォルニア』を聴くと、必ずこの映画を思い出します。
警官223号・モウ
失恋したモウが、夜が明け始めた早朝にランニングをするシーン。