エルマー・ガントリー/魅せられた男のあらすじ・作品解説
エルマー・ガントリー/魅せられた男は、1961年に公開されたアメリカ映画である。原作は、シンクレア・ルイスの小説「エルマー・ガントリー」。監督・脚本は、「暴力教室」「カラマゾフの兄弟」「熱いトタン屋根の猫」のリチャード・ブルックス。音楽は、「マイ・フェア・レディ」「あなただけ今晩は」のアンドレ・プレヴィン。出演者は、バート・ランカスター、ジーン・シモンズ、アーサー・ケネディ、ディーン・ジャガー。 弁が立つセールスマンのエルマー・ガントリーは、女好きで気ままな旅暮らしをしている男。ある日、宗教団体の教祖であるシャロンに一目惚れをしたエルマー。シャロンに近づきたいという思いで入信してしまうが、持ち前のセールストークで教団内で一目置かれる存在になっていく。売春宿の撲滅を訴えることにしたエルマーは勇んで向かうが、売春宿にはかつて自分が酷い目に遭わせたルルがいて・・・。 愛する女性のために宗教の世界に身を投じた男の物語。 アカデミー賞にて主演男優賞など3部門受賞した。
エルマー・ガントリー/魅せられた男の評価
エルマー・ガントリー/魅せられた男の感想
商業化される宗教と現代社会との関わり、大衆における信仰心の形骸化や曖昧さというテーマとともにマッカーシズムの恐怖も描いた秀作
この映画の題名ともなっている「エルマー・ガントリー ELMER GANTRY」とは、人の名前でバート・ランカスター演じる弁舌なめらかな希代の詭弁師だ。機械のセールスマンの彼は、口から先に生まれてきたような男。人を魅了する会話術を持つ彼は、その特技であちこちに首を突っ込む。たまたま見かけた伝道師のシャロン(ジーン・シモンズ)に心を奪われ、彼女の教団に入り大演説をぶって、一躍注目を浴びることになる。このシャロンに取り入って、一緒に信仰の復興を始めるまでの手口の鮮やかさは、女性を口説く時のテキストにもなりうるほどだ。とにかく、このエルマー・ガントリーという男は、口がうまい。昔、神学校で学んだらしいが、聖書の言葉を巧みに引用して、それこそカリスマ的で猛烈にエネルギッシュな演説を行ない、やんやの喝采を浴びる。この作品の演技でアカデミー主演男優賞を受賞したバート・ランカスターのこれぞ演技の見せどころともいうべき、...この感想を読む
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