食堂かたつむりのあらすじ・作品解説
「つるかめ助産院」「ちょうちょ」などで知られる小川糸の同名小説を原作とした、2010年に公開された日本映画。監督は「ウール100%」「ハヴァ・ナイスデー(風見鶏と煙突男)」で知られる富永まい。脚本は高井浩子が担当した。音楽は「パーマネント野ばら」の福原まり、主題歌はFairlifeの「旅せよ若人」。 母ルリコとの確執で、10年前に東京の祖母宅に身を寄せ、料理修行と自分の店の開業資金を貯めていた倫子は、祖母が亡くなり、恋人にも家財を持ち逃げされたショックから声を失った。彼女はスナックを経営する母の元に戻るが、農夫の熊さんの協力で物置を改築し”食堂かたつむり”を開業する。客は1日1組、その客のために考え抜いた彼女の料理は、訪れる客を癒すと評判となるが…。 倫子を柴咲コウ、その母ルリコを余貴美子、その祖母を草村礼子、熊さんをブラザートム、常連客ネオコンを田中哲司、母の初恋の相手シュウ先輩を三浦友和が演じている。他に志田未来、桜田通、満島ひかり、徳井優、諏訪太朗、佐藤二朗、江波杏子など。
食堂かたつむりの評価
食堂かたつむりの感想
かなり酷評受けてたけど思ったより良かったかも
小説よりは良かった、ような気がする… この映画は2010年の公開時に多方面でかなりの酷評を受けていたと記憶している。私は原作小説を先に読んでおり、正直なところ小説にもあまり感銘を受けなかったので、映画にも多くの期待はしていなかった。そのためか、思うよりは良いように感じた。 ざっくり言えば、原作小説は作り手の思い込み(本人は思い入れと思っているのかもしれない)だけで話が進行している。部分部分の言いたいことは予想は付くが、それにはこの演出はやっちゃだめでしょ、というアラが目につく。更に全体を俯瞰で見ると、各シーンがかみ合わなかったりして統一性がない、面白そうな場面を思い付きで繋ぎ合わせたような作品だった。 映画も高得点を付けるレベルではないが、あの原作を題材とした割には頑張っていたのではないか、と思う。以下で具体的に掘り下げよう。 不要な設定をミュージカル風コメディで流しちゃったのはナイス...この感想を読む
かわいらしい映画
2010年公開119分原作は小川糸の同名小説「食堂かたつむり」監督 富永まい出演 柴咲コウ 余貴美子主人公倫子(柴咲コウ)の夢は自分の料理屋を開くこと。そんな倫子はある日、恋人に家財道具一式を持ち逃げされたショックから声を失ってしまう。故郷に帰った倫子は自由奔放な母ルリコにイライラしつつも、一日一組の予約制の店「食堂かたつむり」を開くことを決意する。そんな中、母ルリコが末期の病だと知り……。とてもかわいらしい映画だ。心理描写は単純で幼さがあるが、軽く観れる良さがある。ところどころに使われているCG合成がややチープなのが気になるが、女の子らしいかわいらしい世界観が魅力だともいえる。観ていてとても心地いい。声が出ない倫子を柴咲コウが熱演。セリフなしの表現は難しいのでは…と思われるが、それを微塵も感じさせない演技力を魅せる。あのギョロっとした目ですべて表現しているといえる。柴咲コウの衣装がかわ...この感想を読む
一日一組。
原作を読んで倫子は地味めな人を想像していたので、柴咲コウで映画化と聞いてちょっとびっくり。一番好きなシーンは、初々しいカップルをおもてなししたとき。とある光景を目にして、倫子が厨房で両手を頬に当ててたのがあんまりにも可愛くてどうしようかと!お母さん役が余貴美子っていうのも、いいですねぇ。声質に限らず、いい意味で水商売感があって、そしてほんと倫子と全っ然気があわなそうな感じが出まくっていて(笑)、すっごい合ってます。食って、一生のこと。若いうちにそれにまつわる沢山のことを習得するという財産を得た倫子だから、序盤にあんな目に遭っても、声を失っても、しっかり道を見つけて生きていけてる。自分の開いたお店が、いいジンクスのネタになってたら素敵だなー…!