ジェームスディーンの繊細で悲しい目 - エデンの東の感想

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ジェームスディーンの繊細で悲しい目

5.05.0
映像
4.0
脚本
4.5
キャスト
4.5
音楽
4.5
演出
4.0

アメリカ、カルフォルニア州サリナス。農場を営む父アダムと息子キャルの心の葛藤を描いた物語。

1955年のアメリカ映画

キャル役のジェームスディーンのあの目はなんだろうか…。「父親に愛されていないのでは」と悩むキャルの心を語っている。とても繊細で悲しみに満ちている目をしているのだ。

キャルは父親のことを想っている。しかし不器用さゆえ、逆に父親の怒りを買ってばかり。愛情を受け取れず、愛情を知らないキャル。その姿に胸が引き裂かれる思いがする。

最後のシーン、アダムは脳卒中で倒れてしまうのだが、そこでのアダム、キャル、エイブラ(キャルの兄の恋人)3人のセリフは心に残る。エイブラがアダムとキャルの関係をこのままで終わらせてはいけない、ととった行動も勇気がいるものであり、素晴らしい。人と人との関係は別れた後でも、一方の人、もう一方の人どちらにとっても重要なのだと、教えてくれる。

しかしながら一番の見どころは、キャル(ジェームスディーン)の自分の中で渦巻く感情との闘いにあるように思う。荒々しい、とも違うのだが、若さと純粋さゆえの苦しみは痛みがひしひしと伝わってきて、見終わった後、しばらくはこの感情をひきずるだろうと思うほど、強く心に残る。

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孤独な魂との出会い

キャルは私の分身今から40年ほど前になってしまいますが、当時ジェームス・ディーンは「理由なき反抗」のイメージでツッパリ中学生のアイドルでした。真面目な中学生だった私は、そんなイメージからジェームス・ディーンに興味がありませんでした。ジェームス・ディーンと初めて出会ったのは、当時佳作座で上演されていた「エデンの東」を観たときでした。高校生のとき友人と2人で行ったのですが、余りの感動に上演後も席を立つことができず、友人には先に帰ってもらい、もう一度次の上演回も観ました。当時の佳作座は上演回ごとの入れ替え制ではなく、そんなことができました。それほどに、感動したのは、「私の気持ちを知っている人がいた!」との思いです。ジェームス・ディーン演じるキャルは、厳格な父が自分を受け入れてくれないことに、孤独感・寂しさといらだちを感じていました。それは、厳格な両親と甘え上手な妹という家族の中で、居場所がないと...この感想を読む

5.05.0
  • はなはな
  • 165view
  • 1448文字
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