ジェームスディーンの繊細で悲しい目
アメリカ、カルフォルニア州サリナス。農場を営む父アダムと息子キャルの心の葛藤を描いた物語。
1955年のアメリカ映画キャル役のジェームスディーンのあの目はなんだろうか…。「父親に愛されていないのでは」と悩むキャルの心を語っている。とても繊細で悲しみに満ちている目をしているのだ。
キャルは父親のことを想っている。しかし不器用さゆえ、逆に父親の怒りを買ってばかり。愛情を受け取れず、愛情を知らないキャル。その姿に胸が引き裂かれる思いがする。
最後のシーン、アダムは脳卒中で倒れてしまうのだが、そこでのアダム、キャル、エイブラ(キャルの兄の恋人)3人のセリフは心に残る。エイブラがアダムとキャルの関係をこのままで終わらせてはいけない、ととった行動も勇気がいるものであり、素晴らしい。人と人との関係は別れた後でも、一方の人、もう一方の人どちらにとっても重要なのだと、教えてくれる。
しかしながら一番の見どころは、キャル(ジェームスディーン)の自分の中で渦巻く感情との闘いにあるように思う。荒々しい、とも違うのだが、若さと純粋さゆえの苦しみは痛みがひしひしと伝わってきて、見終わった後、しばらくはこの感情をひきずるだろうと思うほど、強く心に残る。
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