旧来のハリウッド映画とニューシネマの境目に位置する作品「動く標的」
この映画の原題は「ハーパー」だが、邦題は原作の題名「動く標的」となっている。 当時は、ロス・マクドナルドのハードボイルド小説が、それほど人気を博していたのだ。 ところが、映画化に際しては、主演のポール・ニューマンが、「ハスラー」「ハッド」と過去の自分の主演作がHで始まる題名でヒットしたため、勝手に主人公の名前をアーチャーからハーパーに変えてしまったんですね。 これは、正直、ミステリファンからすれば許せないことですよね。 多分、ポール・ニューマンは、ハードボイルド小説のファンではないんでしょうね。それはさておき、ハーパー(ポール・ニューマン)は、ロサンジェルスに住む私立探偵だ。 そんな彼に旧知の弁護士グレイヴス(アーサー・ヒラー)を通じて、富豪の妻(ローレン・バコール)から人探しの依頼が入る。 私の夫が行方不明だ、誘拐事件かもしれないというのだ。 邸を訪れたハーパーは、入り組んだ人間関係に巻き込まれて...この感想を読む
3.03.0