結界師の感想一覧
漫画「結界師」についての感想が4件掲載中です。実際に漫画を読んだレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。
全貌が明らかになるまでノンストップ
優しい結界師妖を元気にしてしまう烏森の地。この土地を守り、侵入者を滅する仕事を代々請け負ってきた墨村家と雪村家。互いに「結界師」として仕事にあたり、その存在を疎ましく思いながらも能力を高めあっている存在だ。この漫画は35巻という大作なのだが、長くてだらけることがなく、かなり秀逸な作品の部類に入ると思う。だからこれだけ長く連載できたのだろう。やっぱり主人公の良守のキャラクターがいいよね。自分の力に溺れるわけでもなく、ただ大切な人が傷つくことがないように守るために力を使いたいと願う。そこからブレることがないの一番の魅力。また、結界師は夜に活動するため、昼間は寝ないとやっていられない。授業は聞いてないし、友だちもいるのかいないのか…って感じで、でも疎まれているわけではないという、非常に微妙なポジションをキープしている。みんなから愛されるヒーローキャラではなくて、でも彼のやっていることは偉大なこ...この感想を読む
最後が忘れられません。
TVアニメからみたのですが(月曜7時のあの枠)、劇中に流れる音楽がとてもいいです。和風なテイストの中にイコライザーでいじったようなシンセの音色が混ざっていて、妖(あやかし)や土地神様など日本古来のことと現在のことを組み合わしている今作品にマッチしていました。妖怪と戦うアニメはたくさんありますが、結界師は絵があまりグロすぎず、迫力があり、女の子も戦う男の子は弟っぽい甘え上手なキャラクターなところが好きです。正直最初は結界で戦うとか意味わからんと思ってましたが、○○ボンバーみたいな横文字にあきてきたところだったのではまっていきました。序盤、時音ちゃんと良守がメインでしたが、志々尾限が現れて、愛想悪いんだけど、力はあるってところにひかれていきました。良守もだんだんと心を開いていっていいコンビになっていた矢先に死んでしまうところがかなしかったです。そこからしばらくみれませんでした。じゃあしらない...この感想を読む
直球・妖ストーリー
へー、タイトルからもっと小難しい感じなのかと思ったら全然そんなことなくて、読みやすかったです。でも好みはわかれそうかな?画の感じは、そんなにカッチリしてなくて好きだけど頻繁にギャグ的な要素が入り込んでくるし、主人公の周りを囲むメンバーの個性が強すぎてそっちに気を取られて「イマイチ」って感じるヒトもいそう。特におじいちゃんが、キャラ強すぎるし登場する頻度も多いので、正直言うとイラッとしたかな。でも主人公の”家柄とか知らん、誰が継ぐもんか”っていう気持ちは凄く伝わってくるのが憎めない感じです。ケーキの家へのこだわりとか、気に入っちゃいました☆きっと、先に進むにつれて主人公のこの意識にもなんらかの変化があるんだろうなとよめるけど、ストレートな感じの展開で、わたしは好きです。
地味で王道
正直に言ってしまうと最初にこの漫画を見たときは、長くは続かないだろうな、と思った。下手ではないが地味な絵柄に王道すぎる内容。個人的には嫌いではないものの、萌え全盛期の今では大衆受けしない作品だろうと思っていたのだ。しかしそれはいい意味で裏切られた。王道すぎると思っていた内容は、まさに主人公の良守が成長していくに従って王道の中にも独自の特徴を見せるようになっていったのである。そしてそれは読者の心を掴み、長期連載に至ったのである。物語が完結し、最終巻まで読んだ今でも地味で王道、という印象には変わりがない。しかし、地味で王道ということは荒れておらず安定した内容であるともいうことだ。萌え作品が多く描かれている今、このような堅実な作品に人気が集まったのは当たり前のことであったのかもしれない。