一緒に遭難したいひとのあらすじ・作品解説
一緒に遭難したいひとは、西村しのぶによる漫画作品。1990年に主婦と生活社の「Romantic Hi」で連載が開始されたが、その後講談社「Kiss」に発表の場が移った。単行本は全4巻が刊行されている。 主人公は貧乏フリーライターのキリエ。老舗ラウンジでバニーガールとして働く従姉妹の絵衣子と共に、ファッションや旅行、グルメなど興味の向くままひた走りながら「その日暮らし」を満喫する様子が描かれている。恋人の税務署職員、マキオはそんなキリエのよき理解者で、キリエが確定申告に行った際に知り合い、交際に至ったという経緯がある。 西村しのぶの他作品と同様、神戸で暮らす女性の日常を華やかに描いたシーンが多く、女性ファンが多い。またベジタリアンの絵衣子の作る料理のレシピも詳細が掲載されており、グルメ漫画の趣もある。 著者は寡作な上、連載が長期に渡っているので初期と後期では時代背景や作中の設定が多少異なっている点もある。
一緒に遭難したいひとの評価
一緒に遭難したいひとの感想
自由を愛する美女ふたりの神戸サヴァイブ(というほどでもない)
シリーズ開始からなんと23年も経ってしまいました。主婦と生活社から1巻が刊行されたのが97年、講談社のワイドKCにお引っ越しして、やっと絶版しないコミックスになりました。掲載誌が次々廃刊になったりと、内容に反して(いや沿って?)厳しい渡世をあゆんできた作品であります。そんなわけで、第1作が発表されたのは1990年。マキちゃんのおっとり加減はまったく変わりませんが、キリエのお召し物はちょっと時代を感じるツーピースです。個人的にこの巻では年末お金がなくて倹約でしのぐ話が好きです。手作りクリスマスメニューは淡泊ですがこの上なくおいしそう。エイコは西村作品のなかで最も「手作り」が得意かもしれませんね。というか、百合もミサオもここから始まったのか…。