伝染るんです。のあらすじ・作品解説
伝染るんです。(うつるんです)は、1989年から1994年にかけてビッグコミックスピリッツで連載された吉田戦車原作の4コマ漫画である。タイトルは当時大ヒットしていたレンズ付きカメラの商品名をもじったものである。 1991年から1994年までにハードカバーの単行本5巻が発売され、1998年から1999年には文庫版5巻も発売された。単行本は累計発行部数300万部の大ヒット作品となり、本作品は第37回の文藝春秋漫画賞を受賞している。1992年にはゲーム化もされ、そのほかアニメ化や実写作品なども作られている。 作中には「かわうそ君」や「山崎先生」、「斉藤さん」といった正体の分らない生物が登場して奇妙な主張をするなど、「不条理ギャグ漫画」といわれる不条理でシュールなギャグや脱力系ギャグなどを新たに開拓したパイオニア的な作品として知られている。ネットなどでよく用いられている「中の人」、という言葉もかわうそ君の言葉が元ネタとされ、本作品はお笑いやCMの表現など他の分野にも少なからず影響を与えている。
伝染るんです。の評価
伝染るんです。の感想
問い合わせ覚悟のこだわりが潔い
本の装丁からして型破り一巻から単行本を読むと、空白のページはあるわ同じ漫画が二度掲載されているなど、落丁や乱丁が故意に行われている。実際に訴えた人もいるようだが、この作品の内容からして吉田戦車氏ならこのくらいのシャレはやるだろうという、故意の装丁ミスがかえって作品にいい味を出している。「伝染るんです。」は、単にシュールだとか、理不尽だとか、脱力とかいう内容のみでなく、落ちがないような世界観や、本の装丁にミスがあることも、笑い飛ばせる人の方が得だと言われているような気分になる。吉田氏がそんな説教がましいことを訴えるために描いたとは思えないものの、本当にバカバカしいの極致のようなことも、実は誰しも考えたことはあるし、人生無駄だと思うようなこだわりだって、人生を面白くするスパイスみたいなもの、という気がしてくる。2巻以降は1巻ほど酷い故意の装丁ミスは見られないが、巻末の白紙のページが多かったり...この感想を読む
90年代を代表する【不条理漫画】は、30年後も不条理なのか
【不条理漫画】の代名詞。そもそも不条理漫画ってなんぞや記憶には、「写真のように焼きつく風景」というものがあると思うが、私が90年代、小学生の頃に写真のように焼き付いている漫画の風景というものが幾つかある。それが、ビックコミックスピリッツで1989年〜1994年まで連載されていた、吉田戦車の4コマの中にある。登場人物である『傷(いつも学生服で、頭に包帯を巻いて幼少期に何か深い傷を負っていたであろう少年)』が、学校の音楽の時間に「ドレミヌファソラシド〜」と歌う4コマ。「ヌはいらない! ヌは!」と突っ込む先生。ちょっとだけ怖い、怖いけど面白い。トラウマのようにこびりついているのがその4コマ、この『伝染るんです』という作品なのである。新しい笑いが、ページを開けば見られる。小学生の私はそんな楽しみ方をしていたように思える。当時、『ダウンタウンのごっつええ感じ』に夢中だった私は、少しだけ、この漫画に同じような笑...この感想を読む
くだらないけど笑える
マイナーな漫画なぜ私が「感染るんです」を集め出したのかよく覚えてないのですが、とにかく全巻集めたいという欲求にかられて本屋に走ったのですが、マイナー漫画なせいかあんまり入荷されてなくてそれはもう何軒もまわったのを覚えています。市内の本屋は全滅で、どんどん遠い市まで車を走らせたっけ・・・それでも見つからなくて友達に「感染るんですが売ってないんだよね・・・」と愚痴ったらコンビニに売ってるよと言われました。そう、カメラの「写るんです」と間違われました。ネタのように思われますが、漫画の存在を知らないというか一般的には写るんですのほうがメジャーな存在でした。今の若い人は写るんですってなにってなるのでしょうか。インスタントカメラなんですけどね。最終的には全巻を収集できて、燃え尽きました。もう読みたいではなく買いたいが目的になってましたね。何が面白いのか?人にどういうところが面白いのかと言われると、...この感想を読む