神々の山嶺のあらすじ・作品解説
「神々の山嶺(かみがみのいただき)」は、夢枕獏による同名小説を原作とした谷口ジロー作画の日本の漫画である。2000年から2003年まで、集英社「ビジネスジャンプ」に掲載、単行本5巻が発行された。2001年に第5回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞。原作は、「小説すばる」にて1994年から1997年まで連載後、集英社より上下巻が刊行される。小説・漫画は、中国、韓国をはじめ、欧米にも翻訳、全世界で100万部を超えるベストセラーとなっている。 「神々の山嶺」は山岳フィクションであり、舞台は日本のみならずチベットやネパールなど、エベレストを取り巻く地域へと広がる。カメラマンである深町誠と孤高の山岳家羽生丈二を中心に登山への情熱と冬山の恐ろしさが描かれるが、加えて山岳の歴史上最大と言われている、イギリス登山隊ジョージ・マロニーのエベレスト登頂の謎が物語を進める。2016年には、映画の公開も決まっている。
神々の山嶺の評価
神々の山嶺の感想
山岳マンガの最高峰
山に憑かれた男今まで色々な山岳系のマンガを読んできたけど、この作品ほど鬼気迫るものを感じた経験はなかった。主人公である羽生丈二は山のみに生きる人間であり生活の全てを山に懸けている。当初彼は「青風山岳会」なるものに所属しそのノウハウを覚えていくのだけど、そのストイックさと言い、他者とは一線を画していた。当然他の人たちとは軋轢が生じ、ザイルパートナーにも事欠くようになってしまうのだけど、そのあたりでそもそも一人で登った方がいいのではないかと違和感を感じるようになった。もともと私にはそういう知識はないのでわからないけど、実際に一人で登っている人もいるので(このマンガに登場する長谷もそのタイプだった)無理なことではないように思う。羽生が「おまえがいなければ登れないんだ」と激昂するシーンがあるけど、そういうのが少し羽生のイメージとは違っているように思う。そしてその違和感は羽生がクライマーとして成...この感想を読む