輪るピングドラムの感想一覧
アニメ「輪るピングドラム」についての感想が4件掲載中です。実際にアニメを観たレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。
相性があるアニメ
簡単に説明すると、地下鉄サリン事件の加害者の子どもと被害者の妹が出会うお話です。色んな問題があるので作中では95年に起きた宗教団体による地下鉄の事件と言っています。この言い回しでもかなり頑張っていると思います。現代でもサリンは慎重に扱う事件ですので。セーラームーンの監督が作られたアニメになります。作画は星野リリィ先生。エンドカードでかきおろしイラストも観れます。ヒマリちゃんが少し棒読み気味なので気になる方もいるんじゃないかなーと。慣れたら大丈夫です。20話くらいすべて謎で残り4話でなぞ解きをしていく感じなので、2回観ないとわからないシーンが多いです。私がそうでした。20話までに飽きてしまう人も多いんじゃないかなーと思います。相性が合わない方は飛ばし飛ばしで観て下さい。作品上印象的なセリフが何個かあるのですが、「きっと何者にもなれないお前たちに告ぐ」この言葉が何度も作中にでてきます。この言葉の意...この感想を読む
考えないと楽しめない
放映後にDVDで観たのですが、きっかけはこの作品がモチーフにしているものを知ったことでした。登場人物たちが翻弄される「十年前のあの事件」は現実に起こった地下鉄サリン事件が元だったという噂。実際観てみた感想としては、確かに物はだいぶ違うけれど同じでした。作品の始まり方はなんだかばかみたいに幸せそうな風景なのに、話が進むにつれて「負い目」の面が現れてどんどん重くなります。結末はその「負い目」を払拭してくれるものではあるのですが、完全なハッピーエンドでもありません。重苦しい世界観と登場人物の葛藤、それから、沢山登場する比喩表現の意味。こういったことを考えながら見る、大人のアニメですね。
ダークな世界観
いかにも"幾原邦彦"という感じの、ダークな世界観です。1話から見て、続きが気になったので最後まで見ましたが、正直見なければ見なかったでよかったかなといった印象です。世界観も話も作り込まれてますし、ストーリーとしても見ごたえは合ったのですが、世界観が暗すぎるのと、説明不足による分かりづらさ(敢えてだと思いますが)が多かったように思え、私はあまり得意ではない内容でした。謎解きの感覚は楽しくて好きなのですが、自分としては謎が多すぎました。好きだったのは話が終わりエンディングに入る瞬間で、鳥肌が立つような、凄い感じの演出でした。エンディングが変わるのも良かったです。楽曲もクオリティが高かったので好きでした。好きな人はほんとに好きだとは思いますが、とにかく見る人を選ぶアニメだと思います。
「生存戦略、しましょうか」
少女革命ウテナの幾原邦彦さんが監督、脚本というのを聞いて見てみました。ウテナであったような楽曲を利用したシーンや画面構成の雰囲気が似ていますが、現代的な感じのイラストでバージョンアップした感じになっています。回想の描き方や、駅の描写など所々が独創的でよかったです。一話で死人が出てしまいましたがそれが物語のスタートになっていて中々いい出だしだったと思います。所々宮澤賢治の「銀河鉄道の夜」の引用があり、にやりとする部分もあります。今後の展開が気になります。OPテーマの「ノルニル」がさわやかでかっこいいなぁ。やくしまるえつこさんの柔らかい声が好きです。