波よ聞いてくれの評価
波よ聞いてくれの感想
主人公・鼓田ミナレと占いの関係性
泥酔トークが波に乗る……衝撃の幕開けいつ何が起こるかわからない、先の展開が読めない、ラジオ番組のような漫画がある。題名は『波よ聞いてくれ』。作者は沙村広明。2018年現在『月刊アフタヌーン』で連載中だ。主人公は、鼓田ミナレ。20代後半の女性だ。第1話では、札幌のスープカレー店でアルバイトとして勤務する一般人だったミナレが、とんでもない事件に巻きこまれていく姿が描かれている。ある日、交際相手と別れた痛手を癒すため、バルで飲んだくれていたミナレ。そこで知り合った麻藤兼嗣というラジオ局のディレクターを相手に、くだを巻いていた。ところが、麻藤はミナレに無断で話の内容を録音しており、自分の担当する番組でオンエアしてしまったのだ。愕然としたミナレはラジオ局へ急行、何の知識も経験もないままマイクの前に座り、オンエアされた自分の発言について話し始めるだった。素人DJ・鼓田ミナレは、強気で行動的このように『波よ...この感想を読む
限定されたシチュエーションを越える作家の想像力
作家性炸裂のパワフルでエネルギッシュなキャラクター!第一話を読んだ際、あまりの疾走感に脱帽した。日常的な話になりがちな恋愛やラジオ業界という題材を選びながらこれだけの作品に仕上がっているのは、まず第一にキャラクターの強さであろう。主人公の鼓田ミナレのみならず、個性的でアクが強く、エネルギッシュなキャラクターがぶつかり合う様は読者に強い爽快感を与えてくれる。しかし何と言っても最も魅力的なのは主人公の鼓田ミナレだろう。第一話からだまされた元恋人に「お前を地の果てまでも追い詰めて殺す」と言いきったり、会社には遅刻し、失恋すれば暴飲する。(失恋しなくても暴飲する)本当は言いたい、でも周りの空気が…と普通の人なら遠慮してしまうようなシチュエーションでも彼女は正直だ。傍若無人な彼女を見ていて「いいぞ!もっとやったれ!」と感情移入してしまうのは、おそらく私だけではないだろう。きっと誰も死なない…沙村...この感想を読む