アマリリス 福島鉄平短編集の評価
アマリリス 福島鉄平短編集の感想
どこかちょっとノスタルジーな、少年少女の色んな生き方
作者の得意な描写でマニアックにどんどん攻めてくる作者は数年前に週刊の少年誌で連載を持っていた。しかし少年誌といえば、等身が高めでアクションバリバリの派手な演出が読者に好まれる傾向だろうが、そういう傾向とは逆の傾向にある作者だった。福島鉄平先生の漫画の特徴としては「デフォルメ絵の愛らしさ」「味のある日常描写」と言ったところだろうか。裏を返せば、等身の低い絵が目立つこと、漫画全体の雰囲気に派手さがないこということ。とはいえ、等身の高い絵ももちろん描けるし、作中にバトルシーンや勢いのあるシーンもしっかり出てくる。でもそれは、本来作者の得意とする分野ではなかったように感じる。実際、作者は描き下ろしページで、描きたいと思うものは少年誌では拾ってくれないようなネタだった、描きたいと思って描いた作品(「アマリリス」と同時発売された短篇集「スイミング」に収録されている「月・水・金はスイミング」のこと)...この感想を読む