少女革命ウテナの感想一覧
アニメ「少女革命ウテナ」についての感想が4件掲載中です。実際にアニメを観たレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。
ある意味革命的だった
耽美的な世界何もかもが斬新な演出でした。学校の一部が別世界になっていたり、空に巨大な城が浮かんでいたり、決闘の時にヒロインのウテナの衣装が僅かに変わりますが、従来の魔法少女作品と違い、そのシーンはかなり異質でした。最初はやたらと長い階段を上がって行くだけでしたが、中盤から檻をイメージしたかのようなエレベーターに乗り込みます。そして、「薔薇の花嫁」であるアンシーがウテナの身体をなぞると、その部分が変化していきます。このシーンのいちいちエロい事。更にアンシー(後にウテナ)の胸から「ディオスの剣」を抜き出す時も、指先の動きが妙にセクシー過ぎて、「テレビでやる演出にしては、かなり勇気がいるな」と思いました。そういう演出が『ウテナ』ではちょいちょい現れます。乱れた服装から、室内で何があったのかを視聴者に想像させたり、セリフの言い方が一歩間違えれば下ネタだったりと後半になるにつれ「なんでもアリ」の世...この感想を読む
どこから力が来るのか
いまも語られるこのレビューを書いている2016年時点で、ウテナがテレビ放映された1997年から20年ちかく経っていますがいま現在でもアニメ、映像、舞台系からミュージックシーンまで多岐にわたる分野において、この作品の名前を挙げたレビュー、コメントを目にすることがあります。私自身も最近、ロックバンドをしている友人から「絶対運命黙示録」ってどんな曲なの?と聞かれました。ヴィジュアル系バンドによるカバー曲がいまも発表されているようです。現在でもどこかでウテナというパワフルなコンテンツがあったことが影響を与えていて、まったくカテゴリー違いの人からウテナについて聞かれる事があるのは、ファンとしてはうれしい限りです。薔薇のフレーム私自身もテレビ放映時にリアルタイムで観ていましたが、ウテナの世界に対して子供すぎて、当時はなんだかわからないけど衝撃的でした。同時代のアニメに知識があるわけではなく具体的に比較作品を...この感想を読む
幾原ワールド全開!
私は『少女革命ウテナ』を観て幾原邦彦監督の世界観にハマりました。とにかく幾原監督が作る作品には女の子が好きなものが沢山詰まっていると思います。『少女革命ウテナ』は正にその代表で、可愛い女の子たちに素敵な王子様、ドレスや剣等まるで夢の国のような世界が広がっています。しかし、それだけでないのがこの作品の魅力の一つです。この作品の主人公は天上ウテナという「王子様」になりたい女の子。普通の少女向けアニメなら可愛いヒロインとかっこいい王子様でいいはずが、この王子様を敢えて女の子がやるのです。私は少女という生き物は不思議な説得力があると思います。少女であるウテナが王子様の格好をし、必死にお姫様(姫宮アンシー)を守る。その絵は不格好に映るはずなのに、誰よりも気丈に振る舞うウテナはどの男性よりもかっこいい王子様に見える。そこまでの説得力があるのは、ウテナが男の人になりたいわけではなく、少女の心を持ったま...この感想を読む
世界観が作り込まれている
ポスト「エヴァンゲリオン」等と言われた事のあるこの作品だが、漫画から映像になった時の世界観の作り込まれ方が半端ない!それ故、ディオスの力とは何ぞや、世界を革命する力を得てから何をどないするのやら、など小難しい内容に対する疑問は絶えないが、J・Aシーザーの楽曲が素晴らしくマッチしている為、観ていてテンションが上がりまくるのでそれらはちょっとどうでも良くなる(笑)。川上とも子氏が亡くなられたのは本当に悔やまれるが、この作品に出演なさった事は本当に誇りに思われているであろうと思う。ガンダムを引き合いに出されると負けはするが、放送開始から20年近く経った今でもアニメグッズ販売店には本作品の関連商品が並んでいるのだ。昨今に多い「日常系」のユルいアニメもたまにはいいが、今やアニメは深夜帯に放送される事が多くその大半は子供向けでは無い為、もっと重厚な作りの本作品の様な難解なアニメも作られてもいいと思う。声...この感想を読む