鉄コン筋クリートのあらすじ・作品解説
鉄コン筋クリートは松本大洋の漫画作品であり小学館ビッグコミックスピリッツで1993年から1994年まで全33話連載されており、単行本は全3巻刊行されている。この作品により松本大洋は大きな認知度を得る事になった。 2006年には映画化され声優陣に二宮和也、蒼井優、本木雅弘ほか実力派俳優が名を連ねている。また、2014年にはブルーレイ化されている。 ストーリーは義理と人情とヤクザの街、宝町が舞台。そこを根城にしてカツアゲやかっぱらいをしながら自由に街を飛び回り毎日を生きるネコと呼ばれる2人の少年シロとクロが主人公である。 そんなある日、誰よりも街を知り尽くし愛する宝町に再開発と呼ばれる変革の荒波が迫ってくる。 地上げ屋やヤクザ、3人組の殺し屋、蛇という名の男が現れ町は不穏な空気に包まれていき、シロとクロもその闘争に巻き込まれて行く事になる。 混沌とした街の中で過ごすクロとシロの対極的な2人の友情を織り交ぜながら展開していくアクションストーリーは海外でも高い評価を得ている。
鉄コン筋クリートの評価
鉄コン筋クリートの感想
手書きとCGの最高の融合、そして松本大洋
まず何よりも絵!近年アニメというと日本のアニメ業界は量産型の考え方が主体になってきている。それが意味するところはやはりアニメは完全にCG化されたということだ。CGになったからこそ表現できるようになったこともいくつかある。ただそれがたった”いくつか”あるだけということだ。そういった意味では、やはり手書きのアニメの方が無限に可能性がある気がする。今作を見る限りそう思わざるを得ない。しかしそれだけではない。このアニメに関してはCGと手書きが完全に融合している。今作を見たときに、日本のアニメとしてはもはや伝説的なクオリティを誇る「AKIRA」のことがすぐに思い出された。当時では考えられないほどのクオリティで丁寧に描かれたあのアニメを見たときと同じくらいの衝撃があったからだ。しかし自由度や表現の多様性という意味では、今作のほうがむしろ芸術的かもしれない。松本大洋の作品ではしばしば人間の内面やその葛藤が抽象的...この感想を読む
色彩が美しい
共依存的な関係が美しいと思えるような映画。EDがアジアンカンフージェネレーション。特別好きなバンドではないけれど、EDの映像はとても美しかった。宝町でカツアゲなど、少年犯罪を生業にしてに生きる少年、シロとクロ。ヤクザや警察など、大人の思惑に巻き込まれたりしていく。ヤクザ映画に子供を混ぜて、子供の目線で描いたようなアニメ映画。声優が蒼井優と二宮和也。声優を使わないアニメは多いけど、これはとても、作風に合っていたと思う。宝町の色彩がすばらしい。懐かしくもあり、あたらしくもある。絶妙な色みがとても美しい。なんとかハッピーエンドで終わる。見終わったあとは何とも言えない気持ちになった。
原作が大好きなので
まぁ、ありかな。というのが率直な感想です。この作品は原作が大好きで何度も読み返していたものでした。なので、少しでも自分のイメージに合わない箇所があると違和感がありとても嫌でした。声の担当も、また話題作りで俳優や女優を起用したな。なんてとても嫌な気持ちで見始めたのですが、なかなか良かったです。シロの声の蒼井優さんに驚きました。ちゃんとシロになってました。アニメのキャラクター(絵)だとシロやクロの良さがあまり描ききれてないよな気もします…ただ単に私が原作好きというのがそう見せているのかもしれませんが。原作超えはしていません。ですが、見応えのある作品でした。