華やかな世界の影の仕事人
スカウトとしての生き方プロ野球のスカウトの仕事というものは戦争らしい。お互い、やるかやられるかだ。カリスマスカウト、堂神ことガミさん。しびれたわー。この小説に出会うまで、スカウトの仕事を舐めていたところがあった。プロ野球選手をクビになった人のための温情だとさえ思っていた。もう、随分前のことになるが、ある球団が甲子園で活躍した沖縄県のエースを指名した。しかし、その選手は最後までその球団への入団を断り続けた。その結果、スカウトの一人が自殺した事件があったことを覚えているだろうか。その時は、あまりその自殺の理由を深く考えもせずに、ただ、気の毒にと不憫に思っただけだった。しかし、この物語を読むと彼が命がけでその選手を獲りに行ったことがわかるのだ。今になって、そこまで自分を追い詰めていたこと、スカウトとしての責任をとったことが理解できる。しかし、その方法が決して正しかったとは思わない。それくらい...この感想を読む
4.54.5
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