大河ドラマ『江』に対する一考察
歴代大河ドラマを幼少の頃から鑑賞してきた私にとって、この『江』という作品は非常に衝撃的な作品であった。もちろん「悪い意味で」である。歴代ドラマにランキングをつけることを許されるならば、迷わずワースト1に選ぶであろう作品だ。何がそんなに悪いのか。それは「歴史に対する愛情が微塵も感じられない」ということだ。歴史に愛情?と首をかしげる方もいるだろう。歴史ドラマというのは、歴史上の人物を描く物語であるが、我々はその人物について知識はあっても、その人物や時代背景を実際に目にしたことはなく、その意味においてはSFドラマと同じ範疇にある。つまり、「誰も見たことがない」のだ。だからこそ作り手の思惑次第でその人物をいかようにも表現することができるし、それがいかに史実と間違っていようと「誰も見たことがない」のだから反論のしようがなく、事実として後世に一人歩きしていく可能性もあるのだ。作り手側に歴史上の人物に...この感想を読む
1.01.0
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