黒い福音の評価
黒い福音についての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が2件掲載中です。
各項目の評価分布
黒い福音の感想
巧みな手法を駆使した倒叙ミステリの傑作 「黒い福音」
物資が窮乏している、戦後の日本。バジリオ会に所属するグリエルモ協会は、日本への救援物資の横流しで莫大な利益を上げ、教会の勢力を拡大していた。指揮をしているのは、バジリオ会の日本管区長フェルディナン・マルタン神父。それにグリエルモ協会の主任司祭ルネ・ビリエ神父や、元は敬虔な信者だったが、今はビリエ神父と愛人関係にある江原ヤス子など、多数の人々が関わった大掛かりな犯罪であった。闇ブローカーの裏切りにより、警察の摘発を受けそうになったこともあったが、日本人信者を犠牲にして切り抜けた。しかしこの件で教会は、ある男と、深い関係を持つことになる。表面上は、順調に発展しながら、それから七年の月日が流れた。新しくバジリオ教会の神父になったトルベックは、信者の女性とのアバンチュールを楽しむ日々を送っていた。ある日、信者の生田世津子と出会ってトルベックは、激しい求愛感情を覚える。その一方で、教会の会計係に...この感想を読む