ターンの評価
ターンについての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が2件掲載中です。
各項目の評価分布
ターンの感想
イメージはダリの『記憶の固執』
誰もが一度は想像する一人だけの世界この主人公もいかにも北村薫らしいですね。誰もいない世界に飛ばされても服を買ってお金を払い、毎日何かしら行動する。北村薫の書く主人公っていつもそんな感じ。モラルがあって、感受性が豊かで新しいもの好きで、ちょっと昭和っぽい。同じ女としては、こうありたいと思うような、身近にいたらちょっと気後れさせられるような、そんな主人公です。でも一人だけの世界が長くなると叫んだり、何もしなかったり、体を打ち付けたりそういうのが簡単に書かれてますけどその葛藤っていうか、寂しさと絶望みたいな所をもっと覗いてみたい気もしました。主人公は版画家で、メゾチントっていう技法(?)を使って絵を描くのですけど、私はメゾチントを知らないままに読み進めていて、いつの間にかこの話を思い浮かべるときいつもダリの『記憶の固執』が浮かぶようになりました。時の残酷さっていう点で似通っているのかな?頭の中の...この感想を読む