床下の小人たちのあらすじ・作品解説
床下の小人たちは、イギリスの作家メアリー・ノートンによるファンタジー小説。 全5作からなる「小人の冒険」シリーズの第1作目である。 主人公は、小人の少女アリエッティ。家族とともに人間の家にひっそりと住みつき、生活に必要なものをこっそり借りて生活していたが、アリエッティが人間の少年に見つかってしまう。煙で燻しだされてしまったアリエッティたちは、新たな住処を求めて旅に出る…というストーリー。 1952年に出版されたこの作品は、その年のイギリスの児童文学賞カーネギー賞を受賞する。その後、アメリカやイギリスなどで映像化もされた。 日本でも1956年に出版されて以来、長く人気を保つ作品であり、2010年「借りぐらしのアリエッティ」のタイトルで、スタジオジブリがアニメ映画化。公開前から注目度が高く、特に圧倒的な女性からの人気を獲得し、最終興行収入は92.5億円を記録。2010年の興行収入邦画部門では一位となった。
床下の小人たちの評価
床下の小人たちの感想
こびとをさがしたくなる
ジブリ映画、借りぐらしのアリエッティの原作だと聞いてずっと気になっていた。図書館で借りて読んだ。ストーリーは、特別、壮大なわけではないけれど、なんか、こころをくすぐられる。こういう、悪に立ち向かうわけでもない、ドラゴンや魔法やお城が出てくるわけでもない静かなファンタジーもすばらしいなと思った。床下にすむこびとは人間に見つかることを恐れながら、人間の家からいろいろなものを借りて暮らしている。これが借り暮らし。私は大人になってから読んだからそんなことはもちろんなかったけど、小さい時に読んでいたらたぶん、床下にこびとがいないか、探していたと思う。
床下の小人たち
小さい頃母は物が無くなると、「また床下の小人が来たわね。」と言っていたのを思い出す。幼な心に小人達はどこに住んでいるのか、どんな小人なんだろうと探し回わった記憶が蘇る。普通に生きている目を向けなく、気が付きもしないことが、この本の中では、植物・虫・動物・環境問題などさまざまな観点から大切にしなければいけないことが表現されている。そして何よりも思春期の子供を持つ親、また逆に思春期の娘と親との関わりなど、家族とは何か、家族の大切さ、絆についても考えさせられる内容になっている。子供から大人まで愛される本であり、そして一度読むと消して忘れることの出来ない小説である。
借りぐらしのアリエッティ
ご存知、スタジオジブリの映画「借りぐらしのアリエッティ」の原作本です。可愛い小さな人間、小人のお話はたくさんあります。この物語はもちろんファンタジーですが、内容は割りと現実的です。面白いと感じたのは、小人たちが人間を「自分たちの暮らしを支えるために存在する、自分たちより少数で、優れていない生き物」のように捉えている点です。虫に狙われたり、人間に捕まったり、小動物に襲われたりと、小人の生活も楽ではありません。主人公である小人の少女アリエッティもまた、人間と接したことで住み慣れた場所を追われてしまいます。楽しいだけではない、ちょっとシビアな物語。強く生きる小人たちを応援したくなります。