日本という蚊帳の中で多くの人々が蛍のように弱り死んでゆく戦争話
蚊帳の中にたくさん捕まえた蛍を入れて、プラネタリウムのように幻想的な緑色の浮遊光を楽しんだ翌朝、落ちている蛍を見てしゃがみこみ「なんで死んでしまうん?」と主人公に尋ねる妹セツコの何とも言えない哀愁が非常に印象深いハイライトです。 日本という蚊帳の中で多くの人々が蛍のように弱り死んでゆく様子は、戦争を知らない世代の私たちにも「もう二度としてはいけない」と強く思わせる力がありました。 第二次世界大戦をテーマにした映画は数多くありますが、歴史に疎い方や小さなお子さまでも、庶民の受けた痛みの悲惨さが良く分かるアニメになっています。 見どころは、主人公と妹セツコの兄弟愛。 見終えるころには二人に感情移入してしまい切なさでいっぱいになります。 何度も繰り返し観ている方はご存知だと思いますが、冒頭で主人公と思われる少年の死体とサクマドロップ缶が横たわっています。細かい描写にも注目すると様々な発見がありますよ。
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