最初から最後まで、遊び心が満載 - ジャッジ!の感想

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ジャッジ!

4.754.75
映像
3.75
脚本
4.75
キャスト
4.75
音楽
4.50
演出
4.75
感想数
2
観た人
2

最初から最後まで、遊び心が満載

5.05.0
映像
4.0
脚本
5.0
キャスト
5.0
音楽
5.0
演出
5.0

目次

ジャッジ!はこんな作品



この作品は、広告代理店に勤める太田喜一郎が、ひょんな事からCMの国際賞の審査員に抜擢されるというストーリーです。
日本では何をやってもダメだった喜一郎が、体当たりな英語と不正を許さない姿勢で、いつしか審査員皆のハートを掴んでいきます。

ちょっとしたセリフやシーンが後から生きてくるなど、脚本全体に遊び心を感じる作品でした。

また、冒頭から流れるきつねうどんのCMが最高に面白いです。

本当にこれは笑いました。これで気持ちをガッ!と掴まれた感じですね。

結構このきつねうどんのCMは、作中で何回も登場し、その度に笑わせる役割があるので、重要なんですよね。

海外のCMの審査中に、不意討ちでこれが出てきたのは、すごく笑いました。

しかし、駄作のようなこのCMが、最後には喜一郎を救うので、なかなか伏線が効いていました。


また、サカナクションの手掛けたテーマソングも作品ととてもマッチしており、スタッフロールが流れた時には感動しました。



妻夫木聡さんの好演



主演の妻夫木聡さんの好演が、とにかく印象に残る作品でした。
妻夫木さん演じる太田喜一郎が、味があっていいですね。

妻夫木さんが演じているのに、全然イケメン感が無いキャラクターです。
仕事もダメ、恋愛もダメ、合コンに行ったら気持ち悪がられる…という有り様。

しかし、審査側に回ってからの喜一郎は、たちまち外国人の間で人気者になってしまいます。

なんだか、こう日本ではパッとしないんですが、外国に行ったら成功する人っているよなあ…と思って見ていました。

また、喜一郎は性根が正しい人間なのがいいんですよね。

審査員は皆、あの手この手で票を取りに来るんですが、喜一郎といえば「不正は辞めようよ…」みたいな感じで、それを嫌がるんですね。

なんだか、そういうストレートな主人公って、やっぱりいいなと見ていて思います。

それが正論臭くならないのも、喜一郎のキャラクターらしくて、いいなと思いました。

ラストシーンでは、すっかり自信を身に付けた喜一郎。思わず見ていて「良かったね!」と思えるような終わり方で良かったです。


その他印象に残ったキャスト



まず豊川悦司さん。この人を語らなければ、始まらないというくらい、面白かったです。
今期のNHK朝の連続ドラマ小説、「半分、青い」では、秋風羽織という漫画家のキャラクターに扮していた豊川さんですが、ほとんど外見が同じですね!

サングラス、長髪と完全に一致しているんですが…いつの頃からか、豊川さんはこういうスタイルで行くことになったんでしょうか。
似合ってはいますが…。

ただ役柄は、随分違います。

秋風羽織もやはりクリエイターの人ではありますが、秋風が寡黙な職人気質なのに対して、ジャッジ!の大滝一郎は、チャラチャラした利己的な上司という役どころ。

大滝の適当な判断で、喜一郎はいつも振り回されるのですが、セリフ回しといい、面白くて笑ってしまうようなキャラクターでした。

豊川さん、コメディーも全然いけるんだな…と感動すら覚えました。

また、ヒロインの大田ひかりを演じた北川景子さんは、キレイで毒舌なのに、どこかかわいいというキャラクターを、見事に演じていたと思います。

これがツンデレなのか…と思ってしまいますね。

結構怒っているシーンが多いんですが、嫌な感じにはならないのが、良かったと思います。

ひかりは最初は喜一郎に対し、冷たい対応なのですが、だんだん心惹かれていくような表情がうまいと思いました。

木沢に嫉妬するようなシーンも、かわいかったです。

また、木沢を演じた鈴木京香さんも、相変わらず美しいなあと思いました。

この人もひかりに負けず劣らず、ツンケンしたキャラクターなのですが、最後には喜一郎に根負けするような所もあり、可愛げのある人物となっていました。

木沢の弱さやプレッシャーが、喜一郎とは対極になっているように見えました。喜一郎は、ダメだけど絶望しないから強いんですよね。


また、あまり本編には関わってこないのですが、やっぱり浜野謙太さんはいいですね。
今回はバカなボンボンみたいな役なのですが、その軽さも含めて、素晴らしいと思いました。

ワンシーンで色々伝わってきます。バカな二世感みたいなものが…。すごい表現力。
浜野さん、これからも色々な作品で活躍してほしいです。



惜しむらくは



CMの審査のシーンが、若干ダレる感じがありました。やはり英語が続くシーン、外国のCMの審査が続くシーンは、少し退屈な感じがしてしまいました。

あとは、ひかりと喜一郎のシーンがもっと見たかったです。

意外と少ないように感じました。

最初は冷たい態度だったひかりが、ダメな喜一郎に惹かれていく、皆が大好きな「ツンデレのデレ」のシーンですよね。

願望として、そんな二人がもっと見たかったなあ、イチャイチャが物足りないなあ、という監事はしました。

でも本当に、気になったのはこの点だけなので、充分面白く観られる映画だとは思います。

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普段見ることがないCM業界の裏側が新鮮

落ちこぼれながらも不正を許すことができないCMプランナーが主人公。妻夫木聡が主人公太田喜一郎を演じていましたが、元々持っている妻夫木聡のイメージとぴったりの役柄だったように思います。実力はいまいちにも関わらず情熱だけでぶつかって失敗し、それでも真っすぐ勝負しようとする姿は、観ているこちらにも勇気を与えてくれます。また打算なく真っすぐぶつかることで、周囲の打算的な人間にも微妙な変化が現れ始めるところが面白い。喜一郎のキャラと実力は日本の会社ではたいして認められなかったにもかかわらず、世界を相手にする広告際のメンバーには一目置かれるようになってくるというところに、日本と世界の感覚の違いを感じずにはいられません。また普段はあまり見ることがないコマーシャルの作成シーンや、広告際の審査の様子なども新鮮でおもしろい場面が多かったです。日頃何気なく見ているCMの裏側で、「ジャッジ」で見られるような陰...この感想を読む

4.54.5
  • kokohanakokohana
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