鈍獣の評価
鈍獣の感想
タイトルはパッとしないが、面白い
「鈍獣」を視聴した感想です。まず冒頭は、観ている側には分からない、謎の多いシーンの連続からスタートします。何かにぶつかって止まる列車、エレベーターに怯えるホストクラブの店員、そして存在をひた隠しにされる作家、「凸川」。その奇妙な一つ一つの事象が、気味が悪いのに不思議と目を離せない気持ちにさせてくれます。そして、町全体を覆う不穏な空気や、異世界に迷い込んだような違和感が、画面いっぱいに映し出され、「鈍獣」の世界観にすぐに観客は取り込まれてしまいます。スリリングなサスペンス、といった雰囲気は全くないのですが、冒頭から続く謎めいた雰囲気から、物語が展開するにつれ謎が謎を呼ぶ展開に、最後まで目が離せませんでした。そうしたミステリー要素、そして脚本の宮藤官九郎さんの持ち味であるコメディ要素が合わさって、視聴した満足度は大変高かったです。また、凸川を演じた浅野忠信さんを初め、北村一輝さん、ユースケ...この感想を読む
笑いもあります
個人的に好きな映画ですかね。過去のふたりのいじめを克明に描いた作品は、週刊誌掲載もあって、大人気になる。それを疎んだ江田と岡本は、場末のホストクラブの順子ママや、ホステスのノラと共に、故郷へ戻った凸やんを殺害しようと「猛毒飲ませ」「車で轢く」「列車飛びこませ」など何度も実行するのだが、凸やんは死なない(笑)。最後は何かバカバカしくなり、皆仲良くなって終わり、というのが大筋だが、とにかく観てもらわないと、この魅力は伝えきれない。キャストは豪華で、北村一輝の狂気とユースケの錯乱、真木よう子、南野陽子の巻き込まれ方と佐津川愛美のブッ飛び演技まで、さすがクドカンという仕上がりだ。特典ディスクもメイキングから舞台挨拶まで、いつものユースケ節爆裂もあって、とても面白い。凸やんは「不死身」なのか「皆を呪い殺す男」なのか、その判断は観た人に任されている。自分は「怨霊」と思うが、どうだろうか。観る人を選...この感想を読む
被害者凸やんに恐怖心
クドカンの作品はパンチが効いていてリズミカルなのが売りだと思う。そして、色使いが鮮やかでポップな演出がされている。「どこまで鈍感なんだ!!」と突っ込みたくなる凸川(凸やん)役の浅野忠信さん。クールな印象があった浅野さんのキャラが崩壊している。ここまで鈍感だと天然記念物並だ。この作品では、回想シーンがアニメになっている。幼い時からトモダチだった男たち。とあることを理由に凸やん殺害計画を立てる。殺鼠剤やトリカブトなどなど……手をかえ品をかえ殺害を試みるがうまくいかない。殺害を企てる者への恐怖より、蘇ってくる凸やんに恐怖を感じる。クドカン作品の中で1番オススメしたい作品だ。