青春時代の切なくてやるせない、あの懐かしい時代に戻ってしまいたくなる青春映画の金字塔 「アメリカン・グラフィティ」 - アメリカン・グラフィティの感想

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青春時代の切なくてやるせない、あの懐かしい時代に戻ってしまいたくなる青春映画の金字塔 「アメリカン・グラフィティ」

4.54.5
映像
4.5
脚本
4.5
キャスト
4.5
音楽
5.0
演出
4.5

今や、「アメ・グラ」と略称されるほど、映画ファンから愛され、親しまれている、この青春映画「アメリカン・グラフィティ」は、アメリカがヴェトナム戦争の泥沼を迎える前、ジョン・F・ケネディ大統領のもとで、まだ"アメリカン・ドリーム"を信じていた頃、カリフォルニアの小さな町に住むカート、スティーブ、テリー、ジョンの4人が、ハイスクールを卒業して、それぞれの世界に飛び立っていく前の一夜に体験した出来事を、並行して描いた、忘れ難い青春映画の金字塔的な名作だ。

後に「ジョーズ」でブレイクし、「グッバイガール」でアカデミー主演男優賞を受賞したリチャード・ドレイファスが、文学青年でロマンチストのカートを演じている。その夜、偶然見かけた"白いサンダーバードの女"を女神だと思い、町中を追いかけて、小さなラジオ局にたどり着く。

そこで出会うのが、何と伝説的なDJウルフマン・ジャック。彼が、大人の世界に踏み出すことに戸惑うカートに、自分の正体を明かさず「もしここにウルフマンがいたら、しっかりやれって言うだろう」と励ますのだった。それは、映画を観ている少年少女たちへの言葉であり、宝物のような言葉なのだ。

恋人のステディを残して東部の大学へ行く決心がつかない優等生スティーブを演じているのは、「スプラッシュ」「コクーン」などを手掛け、「ビューティフル・マインド」でアカデミー監督賞を受賞するほど、今や監督として大成功をおさめているロン・ハワード。結局、地元に帰ることになる気弱な好青年がピッタリ似合っていた。

ちょっと不良っぽくて、グリースが良く似合うマッチョのジョンをポール・ル・マットが演じているが、彼は町のカーレースのチャンピオン。他所の町から来た凄い奴と対決することになるが、その強敵役で登場するのが、若き日のハリソン・フォードなのだ。

ひとりダメ男のテリーをチャールズ・マーティン・スミスが演じているが、彼は車を盗んでコニー・スティーブンスに似ている可愛い娘、デビーとのデートにこぎつける。デビー役のキャンディ・クラークが何ともバカっぽくて可愛い。今では懐かしい、フラッパーと呼ばれた女の子だ。

そんな彼らが集うたまり場、"メルのドライブ・イン"でウエイトレスの女の子たちが、ローラースケートで、ハンバーガーを運んでいたのに強烈にアメリカを感じてしまう。

そして、ザ・プラターズの「煙が目にしみる」などのオールディーズも手伝って、"あの頃に戻りたい"と思ってしまう感傷的な映画だが、それが少しも恥ずかしくない。この映画のラスト、クレジットで4人のその後が出る。4人のうち、2人しか生きていないところに、その後のアメリカの傷とも言える、ヴェトナム戦争の暗い影が浮かび上がってくるのだ。

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