面白いのに評価が微妙、スター・ウォーズ エピソード2の惜しいポイント - スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃の感想

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面白いのに評価が微妙、スター・ウォーズ エピソード2の惜しいポイント

5.05.0
映像
5.0
脚本
4.0
キャスト
4.5
音楽
5.0
演出
4.5

目次

「スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃」は、ジャンゴ・フェットとオビ=ワン・ケノービの小惑星帯での宇宙戦や、追い詰められたアナキン達が繰り広げる闘技場でのバトル、その後のクローン対ドローンの大規模戦闘、ドゥークー伯爵とヨーダのフォース戦など見所が盛り沢山であり、私も大好きな映画です。

しかしながらこの映画は、評論家の間でも一般人の間でもあまり高い評価を得ているとはいえません。こんなに良いシーンが目白押しであり、スターウォーズというビックタイトルであるにもかかわらず、なぜ高評価を得ることができなかったのでしょうか。

ここではあえてその惜しいポイントを挙げることで、その原因を探っていきたいと思います。

エピソード1との差が大きすぎる

エピソード1は、主人公が子供であり、シナリオもポッドレースや終盤のアナキン無双など、分かりやすく痛快なものとなっていました。もっともダースモール戦などダークな雰囲気の場面や政治経済問題などが絡んだ少し難しいパートもあるため、子供向けの映画であるというわけではないのですが、幅広い年齢が楽しめるような作りになっていたのは確かです。

一方エピソード2では、一気に対象年齢が引き上げられます。最初の場面であるコルサントからしていかにも大人向けのダークな夜の街が背景になっていますし、そこから描かれるのも周囲から求められることと自分のしたいこととの違いに苦悩する青年となったアナキンの姿や、単純な好き嫌いでは割り切れないパドメとの複雑な恋愛模様といった、ある程度の年齢以上でなければ理解は難しいストーリーです。宇宙空間での戦闘もスレーヴ・ワンの攻撃からひたすら逃げ回るだけの渋いものであるため、ナブー・スターファイター1機で巨大なルクレハルク級ドロイド司令船を破壊するエピソード1とは雲泥の違いでしょう。

もちろん決してつまらないわけではないのですが、なまじ単純明快だったエピソード1との差が大きいために、前作のような作風を期待して視聴し違和感を覚え、映画にうまくのめり込むことができなかったというような人は少なからずいることが予想できます。

ストーリーが暗い

エピソード2は開始直後から不穏な空気が流れており、それが覆ることもなく恋人とのトラブルやジェダイ評議会との軋轢、母親の死といったアナキンにとって苦しくつらい事態ばかりが続きます。映画を見る人も基本的にはアナキンの視点でそれを体験することから、マイナスな出来事の連続にテンションはどうしても下がってしまうでしょう。

映画の終盤には闘技場での大立ち回りというカタルシスに溢れる展開が待っているのですが、そこまでの時間がどうしても長いことから、楽しんで映画を見るというようなスタイルでの視聴は少々難しいのも事実です。

また、どうしてもエピソード3へつながる都合上、一番大事な目標であるドゥークー伯爵は結局取り逃がしパルパティーンとの合流に成功されてしまいます。苦しい展開を乗り越えた結果得た勝利も極めて中途半端なものに終わってしまったために、どうしてもスッキリ終わるとは言えず、後味の悪さなどから好きにはなれないと感じる人も少なくないでしょう。

エピソード3にすぐにつながるわけではない

エピソード2の続編として作られたのがエピソード3ですが、2から3にはすぐにつながるというわけではなく、映画では明かされない様々な出来事を経てからこの2つの映画は結びつくこととなります。

2と3の間にどんなことがあったのか、それを知ることができるのがクローン・ウォーズというアニメです。大変面白い3DCGアニメで、日本語吹き替えも映画とほぼ同じ声優でなされているために違和感なく楽しめる名作なのですが、6シーズンもあること、テレビで放映されたのはその半分にすぎずレンタルビデオ店での取り扱いもほとんどないことなどから見る手段に乏しいという問題点がありました。幸い現在は一部の動画配信サイトにて見ることができるものの、面白いとはいえ100話以上の30分アニメを見たいと感じるのはファンでもなければ難しいでしょう。

しかしながらクローン・ウォーズを見ていないと、エピソード3の前日譚としてエピソード2を見ることになってしまいます。すると2作の間には3年もの時間が流れているため、その役割を果たしていないではないかと不満を感じてしまうことも仕方のないことです。

おわりに

私はスターウォーズの中でもこのエピソード21番好きなために、評価が低いというのはなかなか受け入れがたいものがありました。しかしながらこうして冷静な目で見ると、確かに高い点を得ることができなかった理由も分かる気がします。

大好きな映画であるからといって妄信するのではなく、時にはその悪い部分について考えてみるのも、その映画の話題になった際に自分の意見を相手に押しつけて顰蹙を買うようなことを防げるので大事かもしれません。

何より本当に好きな映画であれば、沢山良い部分を知っている以上、多少その粗探しをしたからといって急にそれが嫌いになるようなこともないのですから。

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