からかい上手と からかわれ上手 - からかい上手の高木さんの感想

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からかい上手の高木さん

4.384.38
画力
3.38
ストーリー
4.00
キャラクター
4.13
設定
3.75
演出
4.00
感想数
4
読んだ人
6

からかい上手と からかわれ上手

4.54.5
画力
3.0
ストーリー
4.0
キャラクター
4.0
設定
2.5
演出
3.0

目次

高木さんのからかい方は 何が上手なのか

高木さんは、ドキッとする様な事を言って照れさせたり、勝負事を持ち出して競争心を煽ったり、悔しい思いをさせてリベンジさせようと仕向けたりと、男心を動かすのが絶妙であり、まさにタイトル通りの「からかい上手」である。

では一体、高木さんのからかい方が上手なわけを考えてみようと思う。

【理由その1】ドキッとする様な事を 結構言う

必ず、という訳では無いが、西片をからかっているときに高木さんは、ドキッとする事を言う。例えば第1巻「プール」では、見学する西片をからかった後、「手 治ったら 一緒に泳ごーね。」と言って西片を照れさせている。同じく第1巻「筋トレ」では、高木さんにからかわれた回数分筋トレしていた西片をからかった後、「なんかたくましくなった気がするし。」と言って西片を照れさせている。続く第2巻「腕ずもう」では、腕ずもうで勝負中、「今日 手つないで 帰ろっか。」と言って西片を照れさせ、勝負に勝っている。

まだまだ例はあるが、高木さんは西片を小馬鹿にするようにからかっているが、ドキッとする様な事を言って照れさせるからかい方を併せてしている。ただ単に小馬鹿にするようなからかい方では、男の自尊心は傷つくし、意地の悪い女としか思われないだろう。しかしドキッとする様な事を言うと、それまで小馬鹿にしていた事さえも忘れて、自分の事を好きなのかと意識したり、そのドキドキ感が内心嬉しくもあり、男は心を掴まれるはずだ。

【理由その2】何事も楽しんでやっている

高木さんと西片はお互いに、何かを一緒にしよう、と提案し合っている。西片は高木さんをギャフンと言わせる為、高木さんは西片をからかう為だ。テスト勉強、二人乗り、腕ずもう、肝試し、背比べ、逆上がり、石蹴り、ウォータースライダーなど内容は様々だ。しかしどんな時も、高木さんは楽しんでやっているのだ。西片から提案された事に対しても、臆せず取り組んでいる。実際にこんなに色々な事をやろうと提案されても、ちょっとやりたくないと思ったり、苦手だったりすると思うのだが、高木さんはどんな事も楽しんでいるのだ。高木さんは西片の事が好きだから、何をするにも一緒なら楽しいのかもしれないが、前向きな性格でなければ、ここまで楽しめないはずだ。この前向きさが、西片にとっては少なからず憧れている部分ではないか。そして、次こそリベンジしてやると競争心を煽られ、男心を掴んでいるのだと思う。

なぜ西片は 高木さんを好きだと思わないのか

作中では、西片の視点でストーリーが進むので、高木さんが思っている事などは書かれてないのだが、おそらく高木さんは西片が好きである。しかし西片は、高木さんに対してドキドキしたりはするものの、高木さんを好きだという意識はない。それはなぜなのかを考えてみた。

【理由その1】高木さんが好みのタイプではない

西片は美術のデッサンのときに、高木さんってやっぱりよく見るとかわいいと思っているが、この思い方は好みのタイプというよりは、顔はかわいいけど性格がという方が合っているのではないかと思う。ちなみに西片が密かに好きな漫画は「100%片思い」という少女漫画だ。この漫画を西片はすごく好きみたいなので、登場する女の子のような人が好みなのかもしれない。

【理由その2】作品が少女漫画みたいになってしまうから

西片が高木さんを好きだと思ってしまうと、ちょっとイチャイチャ度が増してしまって、恋愛漫画っぽくなってしまうと思う。西片が高木さんを好きだと思わないところが、私達読者にもどかしさを与え、二人がうまくいくまで見守らなければ!という使命感を感じさせてくれる。いわばこの作品を長く続けるための重要な設定であると思う。西片の性格うんぬんではなく、大人の事情的な理由である。

 

今後の展開で期待するのは どんな事か

今のところ作品は完結していないのだが、1話完結型のこの作品で、今後期待する展開を考えてみようと思う。

【展開その1】西片のスーパークリティカルが炸裂する

5巻「クリティカル」の回では、占いでクリティカルが出ると言われてた西片が、不意に言った「高木さんと帰りたかったから。」の一言で、高木さんをドキッとさせるクリティカルを放っている。西片の前ではあまり表情を変えなかった高木さんだが、西片と別れた後に少し照れた顔をして驚いた様子だった。

この時のクリティカルを超えるスーパークリティカルを、西片にはぜひ出してもらいたい。そして西片の前で照れる高木さんを一度は見てみたいものだ。

【展開その2】高木さんが 怒る

からかってばかりの高木さんも、すごく楽しそうだったり、元気が無かったり、少し照れたりなど、色々な表情を見せる様になった。しかしまだ高木さんが怒ったシーンは無い。元々怒らなそうな性格なのでなかなか難しいかもしれないが、西片と喧嘩したり、西片に嫉妬したりして、高木さんが怒る展開を見てみたい。そして西片が慌てふためく姿を期待したい。

1話完結型の作品なので、劇的な展開は無いと思うが、少しずつ二人の関係が変化していく事を期待している。

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絶妙な掛け合いがムズムズさせる物語

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4.04.0
  • betrayerbetrayer
  • 169view
  • 3003文字

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