ごめんなさい!!
『謝らなくていい時の謝罪ほど効果的なんです。』
確かに、自分の責任ではなくても謝る人には、誠意を感じる。真面目な話になってしまうけど、そういう人は、何かの出来事や、人のせいにしないで、全ては自分の責任だとしているということ。やっぱり、そういう人は仕事においても信頼できる。
『ただ謝ってほしいだけの人間が世の中にいっぱいいるんじゃないか。裁判とか、慰謝料とか示談とか勝った負けたじゃなくてさ。ただ、ごめんなさいを聞きたいだけの人が。』
でも、なかなか言えない。なんでだろう? プライドとか、なんかいいづらくなってしまったとかかな。
「ごめんなさい」もそうだけど、「ありがとう」も、なかなか言えない時がある。母がお風呂掃除をやってくれて、でもなんだか「ありがとう」が言えない。照れるからかな。
「ごめんなさい」も「ありがとう」も、その言葉で、相手の気持ちは変わる。ただ聞きたいだけの「ごめんさない」と「ありがとう」。
『もう許してるかもしれないけどね。謝ってほしいってことは基本的には許したいってことでしょ。引っ込みがつかないだけで、もう終わりにしたいって言うのが本音なんです。』
そういうことめっちゃある!!相手に怒っているんだけど、別に何かをして欲しいわけじゃなくて、謝ってほしいだけのとき。例えば、小学校の登校班で一列に歩いてる時に、後ろの人に靴を踏まれて、イライラしたことがある。踏んですぐに謝ってくれれば、イライラしないで済んだのに、しかも 自分だってこんなにイライラしたくないのに、謝られずに、イライラしたままだった。何に怒っているかというと、靴を踏まれたことよりも、謝らないというその人の態度が嫌だった。謝らないことに対して、怒っているのだ。
参考になったお芝居(声、表情、行動のギャップが観ていて楽しい!)
・典子と卓也の肌着堂のそばでの待ち合わせの場面。典子の肩に手を回した瞬間に「触ったら殺す」と言われる。その時の典子の言い方が、今までそんな話し方をした典子を観たことがなくて、面白かった。
・タクシーに典子が乗り、監督のように、走る卓也に声をかけ続ける。窓から顔を出して「もっと腿あげて~!!」タクシーをメガホンでリズミカルに叩く「とん!とん!」。「もっと腿あげて」の「も」腿の「も」「あ」にアクセントがついている。
・沼田が美咲との話し合いで、「確かに」を、「ぱしかに」、「パスカル」、「ラスカル」、「ラスクラス」、「バスター」、「とっしゃー」と言う時の言い方。ふざけ具合が増してくる。表情も明らかに、ふざけている。
・話にならない、と帰ろうとする美咲に、沼田が、「ほい!ほい!」と時計を差し出す。歩き出す美咲に沼田がしつこく「遠慮しないで」「ほい!」「ほいほい!」と言って時計を差し出す。「バカにしないで!」と美咲が時計をプールに投げる。沼田は、何事もなかったかのように、前方向に、3歩ほど歩く。そして急に表情を変えて、急に全力でプールに飛び込み時計を取りにいく。
・黒島が美咲に、幽霊のふりをして、「まだ、怒ってますよね~?」「怒って」の言い方が緩やかに盛り上がった言い方。美咲に強調して言っている。
コメディだからかもしれないけど、登場人物一人一人の声と表情の変化のギャップがあって、飽きない。そう言えば、一緒にいて楽しい人は、声と表情の変化がある。真面目な話をするときは、むしろ いつも出さないちょっとおかしい 相手が柔らかく受け取れる話し方をするし、相手を楽しませようとしている。文章を書くときに、そんな風に書けるようになりたい。
脚本は、宮藤官九郎さん。
観終わって、ああ、面白かったなあっと充実感に浸っていたら、脚本は宮藤官九郎さんで、ああそうだったのか!!宮藤官九郎さん、最高だなと思った。登場人物、ストーリー、演出、全てが面白おかしい。だけど、さっき引用した、
ただ謝ってほしいだけの人間が世の中にいっぱいいるんじゃないか。裁判とか、慰謝料とか示談とか勝った負けたじゃなくてさ。ただ、ごめんなさいを聞きたいだけの人が。
もう許してるかもしれないけどね。謝ってほしいってことは基本的には許したいってことでしょ。引っ込みがつかないだけで、もう終わりにしたいって言うのが本音なんです。
なるほどなあと納得することがあって、自分のためになった作品だったなあと感じた。
井上真央さんが演じている典子は、「井上真央さんだよね??」と初めの方、何度も確認してしまった。どこにも井上真央さんを感じないのだ。それほどに、井上真央さんが演じた典子が映画の中で生きてる一人の人だった。
最後の、MVみたいなのが最高に楽しい!阿部サダヲさんがラップをしているのとか、ラーメン屋の船木さんを演じるEXILEの松本利夫さんが出てきたり、エンターテイメントだった!
爆笑する面白さじゃなくて、唖然とする面白さというか、最初から最後まで飽きない面白さだった。
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