コジコジ
目次
とにかくコジコジが可愛い
コジコジという名のこの物語の主人公。とりあえず外見が愛くるしい。まん丸の目と猫のような口元、長いしっぽに小さい身体。なんとも気の抜けるゆるっとした高めの声でふんふふ〜んと飛び回るその姿。とぼけた顔でとぼけた声でとぼけた事を言うかと思えば、たまーになかなか心に深く残ること言ってくる。どんなことをしても憎めない。私としてはどんなゆるキャラでもコジコジには到底敵わないのである。
さくらももこワールド全開
ちびまる子ちゃんが大好きな私だが、やはりまる子の憎らしい感じが堪らない。登場人物たちのいい感じに歪んだ感じが更にパワーアップしているのがこのアニメである。悪役はとことん腐ってて、卑怯でりずる賢い嫌な奴なのだ。にも関わらず、その悪役を憎めないキャラに変える設定がしっかりとあるのだ。
全くもって意味不明な展開
本当にどうしてこんなこと思い付くのだろう?と心底思う。きっと天才(鬼才)なんだと思う。どうしてしゃべる鉛筆をペットとしてプランターで育てたり、バケツからオタンコナスが出てきて踊り出したり、下駄屋の息子が神様として崇められたりするような設定を思い付くのだろうか?
個性が強すぎる登場人物
劣勢遺伝子だけを受け継いだ飛べも泳げもしない半魚鳥や、三日月の夜だけ身も心も美しい美女に変身するナゾ怪人や、頭に咲いた花が枯れると死にそうになる人など語りつくせない程のキャラの濃さ。そしてそのキャラをしっかり生かした内容の濃いーーー物語がそれぞれにあるのだ。
コジコジの名言(迷言)①
コジコジは何も考えていないようで、じんわりくることを言ってのける。例えば、先生に君は将来何になりたいか聞かれて「コジコジはコジコジだよ。」何者にもならない。生まれてから将来もずっと自分はあくまでコジコジなんだ。的な事をしれっと言ってのける。ブレない姿勢。なんとも哲学的である。ちなみに、このコジコジの言葉に感銘を受けたテストでひどい点を取った半魚鳥が、母に叱られた際「僕は僕だから」的な事を言ったら「何を馬鹿な事言ってるんだ」と更に叱られていた。現実とはそうゆうものである。
コジコジの名言(迷言)②
先生に君は(勉強もしないで)何をしてるのか問い詰められても「盗みも殺しも騙しもしてないよ。遊んで食べて寝てるだけ。なんで悪いの?」としれっと言ってのける。その後、学校には町の人たちがお金を出してくれてるから君達は勉強出来るんだと諭そうとしても「学校はタダなんだね。安心したよ。」と言っていなくなってしまう。ズレている、では片付けられない感性の持ち主なのだ。
コジコジの名言(迷言)③
これは名言とも迷言とも言えないかもしれないが、私が最高に笑ったエピソードなので紹介したい。自分の存在意義がわからず元気がないジョニーくん、コジコジは励ましの手紙を送ったのだが…。先に言っておく、コジコジはおバカさんなのだ。自分の名前も書き間違える程の。そんなコジコジが送った言葉がこちら。「ジョニー ゲンキンだしな」もうね、これは映像と共にぜひ楽しんでもらいたい。ジョニーくんの白目剥いたショック受けてる感じとか、コジコジの悪気が全くないのにめちゃくちゃひどいことしちゃってる感じが私には最高に面白かったのだ。
コジコジは何者?
まずコジコジの物語の背景だが、コジコジ達が住むのはメルヘンの国。広い宇宙のどこかにある星なのだ。地球の人間たちを喜ばせるためにキャラクターたちは学校に通い勉強をしており、ミッキーやスヌーピーもこの国の住人であり在校生にとっては憧れの存在だが大人の事情で出演はない。そして、コジコジには親もいなければ兄弟もいない。性別も年齢も不明なのだ。両親については、コジコジは宇宙から生まれた的な感じがあるのだが「宇宙」という言葉が思い出せず、なぜか「宇野千代」と「荒井注」から生まれたことになってしまうなんとも馬鹿馬鹿しいエピソードがある。そんなコジコジを表す言葉としては心優しく、マイペースで、どこか悟っているようで、なにも考えていない、愛くるしい存在なのだ。
アニメならでは
コジコジの漫画も勿論持っているのだが単行本で3巻までしかない。アニメは100話まであるのでアニメでしか見られない話が多くあるのだ。私としては漫画にして全話読めるようにして欲しいのだが仕方ない。だが、漫画にない話もしっかりとさくらももこ脚本のため、アニメだからといって劣化しているということはまずないので安心して欲しい。もう一度言うが、やはり漫画本で手元に置いて好きな時に好きな所を見てにやにやしたいので、全話漫画本化を切に願っている。
最後に
私がいかにコジコジを愛しているかお分かりいただけただろうか。どうしようもなくくだらない、ゆるっと、思わずくすっと、時には声を出して笑ってしまう。シュールな中にもほんわかした、このなんとも不思議な気持ちになれるアニメを私は一番好きな作品と言っても過言ではない。
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