可愛さとシュールさが混在する世界観 - コジコジ-さくらももこ劇場の感想

主人公コジコジの鈍感力の素晴らしさ

テストの点が悪いどころか自分の名前まで書けないコジコジ。それをクラスの友達に驚かれても、どうして驚いてるのか全く分からない様子に、私は最初驚きました。それどころか、先生に呼び出されて叱られても、どうして勉強しないといけないの？勉強ってなあに？コジコジ毎日楽しいよ？と糠に釘状態で、羨ましい限りです。このやたらフワフワしてるのにある意味真剣にまともな事を言っていて、でもとっても相手をイライラさせているという状態がおもしろいと思いました。一見ふざけたことを言っているようですし、いくら周りに馬鹿にされても、何も気にせず自分らしく毎日を楽しんでいるコジコジ。この様子を見ていると、これぞ現代人に必要な鈍感力と自分らしさなのではと思えてきます。大人になるにつれて固定観念ができあがってどんどん頭がガチガチになりますが、いつまでもコジコジのようなピュアな心で、どんなことを言われても良い方に受け取るセンスを身につけたいと思いました。

ブラックジョークが多め

キャラクター界で大人気のスヌーピーのサインが欲しいだとか、ディズニーだったらこのミスはゆるされないだとか、ある程度の年齢以上にうけるようなブラックジョークが多めなところも好きです。実名を出してしまうところもすごいです。当時小学生の私はリアルタイムでテレビ放映されていたコジコジを見て、ただふざけてておもしろいとしか記憶がありませんでしたが、大人になってもう一度見てみたら、何とおもしろいこと！さくらももこさんにこう言うセンスがあったとは失礼ながら知りませんでした。さくらももこさんの他作品はもちろん好きで、再度コジコジを見るまでは、コジコジはそこまではやらなかった作品だと思っていました。ですがこんなにフワフワで可愛くてシュールでブラックジョーク満載なアニメはなかなか無いと今は思っています。

１人キャラクター界に紛れているジョニー

全体的にキャラクター濃い目の登場人物が多い印象ですが、１人だけキャラクター界に紛れているジョニーという人間の少年がまた良い味を出していて気に入っています。少年なのにどこか不健康で、どうやって人間界からやってきたのか全く記憶がないというおもしろい設定の少年に惹かれます。人間でありながら人間の記憶がないジョニーと、キャラクター界で生まれ育ったキャラクター達のかかわり合いがおもしろいです。普通では考えられないようなキャラクター達が繰り広げるコジコジの世界に是非私も行ってみたいと思いました。