続けば良いというものではない
待ち望んでいた続編だけど
「黄昏よりも暗き存在(もの)、地の流れよりも赤き存在(もの)」というお決まりのリナ=インバースのドラグスレイブの呪文が印象的なこのシリーズですが、正直続ける必要があったのでしょうか?『スレイヤーズ』がテレビアニメとしてスタートした時から大好きで欠かさず見ていたのですが、正直『TRY』が限界だったのかなと思います。キャラクターデザインもテレビシリーズ初期から変わらない宮田奈保美さんですが、今回のリナ達は別の人が描いたような雑な印象です。やたらとリナやアメリアが幼く見えるのです。特にアメリアだけ見ていると、まるっきり子供です。もちろん、年齢的にもまだ幼い筈なのですが、あそこまで幼く描く事はありません。ガウリィにしたって一昨目の時はもう少し大人っぽくて格好良かったです。何だか全体的に「小さくなった」という印象しか持てませんでした。それに、会話のテンポも何か悪いです。「TRY』の時にはあんなに面白かったのに、『レボリューション』はそこそこでした。それにしても、どうしてリナ達はいつもいつも同じ衣装なんでしょう?「ドラゴンもまたいで通るからドラマタ」とまで言われるリナは、自らを「天才美少女魔導師」と名乗っているのですから、新しい衣装だってすぐに出せるんじゃないでしょうか?それに、アメリアはお姫様なんだからそれらしいファッションをしても良いじゃないかしら?いつもいつも同じ衣装では正直飽きて来てしまいます。それに、新キャラとして登場したポコタのデザインだってもっとあったはずです。はっきり言って全く可愛くありませんっ。せめてもう少し可愛いのデザインだったら良かったのにな。
あれ?もう決着ついたの?
「悪人に人権はないっ」というリナのモットー通り、悪人には容赦がありません。それがリナの魅力でもあります。単なる魔導師ではなく、お金儲けを考えたりズルをしたり、時々、悪人よりも悪人らしい行動が彼女のチャームポイントなんですが、彼女が活躍したという印象は特に感じませんでした。特に後半になると、主役はポコタになっていましたよね?わけの分からない緑色の、何の動物かも分からないくせして、光の剣のレプリカを出したり、一番活躍していたのはポコタをおいて他にはいないでしょう。おまけに本当の姿は王子様なんですから、どう考えてもポコタが主役としか言いようがありません。リナもドラグスレイブを打つ機会が少なかった気がするし、光の剣がないガウリィは本当にただ居るだけの存在になってしまっています。アメリアとゼルガディスの関係もハッキリしません。アメリアがゼルガディスをどう思って居るのかは見てれば分かりますが、ゼルガディスの気持ちが全く分かりません。彼にとってアメリアは妹のような存在なんでしようか?それとも少なからず女性として見てくれているのでしょうか?じれったくて仕方がありません。何か、リナ達はオマケなの?という感じでストーリーは進み、とうとう迎えた最終回。最終回でやっとガウリィの手に「光の剣」がっ。彼の渾身の「光よっ」と叫んだ瞬間にやっと、スレイヤーズが帰ってきた気がしました。でも、その時は既に最終回なんですっ。結局、この冒険でリナ達が何を得たのか私には分かりませんでした。ただ、ポコタのサポート役になっていたという事なんでしょうか?やっぱり、リナ達がいろいろな悪党を、その悪党を上回るぐらいの活躍が見たかったな。
変わらないって凄い
それにしても感心したのは、声優さん達の全く変わらないその声です。『スレイヤーズ』がテレビアニメ化されてかなりの年月がたちましたが、いまだに声は当時のままです。見た目は可愛いのに恐ろしく凶暴なリナを演じている林原めぐみさんは、主題歌も担当されていて、「見てくんないと暴れちゃうぞっ」というセリフをあれだけ可愛く言えるのは林原さんだけです。リナの側で彼女の保護者を自称しているお人よしのガウリィ役の松本保典さんは、ボーッとしている時と、ビシッと決める時のガウリィをとても自然体で演じられていて、ほぼ一体化しているように聞こえます。アメリア役の鈴木真仁さんは『赤ずきんチャチャ』の頃から大好きで、あの元気で愛らしい。それでいていつもリナ達に振り回されるアメリアの様子をコミカルに演じられています。ゼルガディス役の緑川光さんは、当初こそイメージが違うと思ったのですが、シリーズを重ねる毎にゼルガディスと重なり、今では彼以外考えられません。いつもクールだったゼルガディスが次第にギャグ路線になり、それに合わせられる緑川さんも凄いなと思いました。この変わらない声があるからこその『スレイヤーズ』なんですね。そして、その変わらない声とテンションをこんなにも長い期間維持されている声優さん達の凄さを感じました。そして、これからも変わらないリナ達の声が聞きたいなとも思いました。
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