凄まじいカーアクションと刑事対ドライバーの虚々実々の駆け引きをクールに描き、アクション映画の原点を示した 「ザ・ドライバー」 - ザ・ドライバーの感想

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凄まじいカーアクションと刑事対ドライバーの虚々実々の駆け引きをクールに描き、アクション映画の原点を示した 「ザ・ドライバー」

4.04.0
映像
4.5
脚本
4.0
キャスト
4.5
音楽
4.0
演出
4.0

このクールで戦慄的な我々映画ファンを痺れさせる「ザ・ドライバー」は、チャールズ・ブロンソンとジェームズ・コバーン主演の「ストリート・ファイター」という小味なアクション映画を撮った、ウォルター・ヒル監督の第二回監督作品です。

銀行ギャングや強盗の逃走を請け負う、プロのゲッタウェイ・ドライバーのドラマですが、とにかく凄まじいカーアクションと、刑事対ドライバーの虚々実々の闘いに焦点を絞り、余計なものは一切描かれず、いわば、"アクション映画の原点"に戻ったような作り方であり、ムダな場面が目障りだった前作の「ストリート・ファイター」よりも、ずっと面白く出来ていると思う。

ロサンゼルスの街の地図を性格に頭に刻み込んだゲッタウェイ・ドライバー(ライアン・オニール)は、その鮮やかなハンドルさばきで、追跡してくるパトカーをまいて夜の闇に消えてしまう。

なんべんもそんな彼にキリキリ舞いをさせられた刑事(ブールース・ダーン)たちは、なんとかしてドライバーを逮捕しようと考えて、卑怯な罠を仕掛けるが、その罠にもかからないのだ。

まるで、マシーンのように冷徹なドライバー。うす汚い人間性をむき出しにして、ドライバーの逮捕に執念を燃やす刑事。この二人のコントラストにも迫力があり、彼らの闘いがドラマティックな興趣を盛り上げていると思う。

それまでの甘い二枚目からイメージ・チェンジしたライアン・オニールの好演も素晴らしいが、それ以上に印象的なのは刑事役のブルース・ダーンの怪演だ。そして、フランスの演技派女優のイザベル・アジャーニがドライバーに近づく女ギャンブラーに扮している。

普通のドラマ設定なら、彼女とドライバーの間に恋愛感情が生じ、そのあげくベッドシーン-------となるはずなのだが、そういう余計なものを一切省いたところが、この作品の良さだろうと思う。

ロサンゼルスの素晴らしい夜景の中で展開される追いつ追われつのカー・チェイスは、凄い見せ場になっていて、アクション映画の魅力をたっぷりと堪能しました。

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