誰もがゴマアザラシとの共同生活を夢見ました
目次
アシベにまつわる個性的なキャラクター達は皆それぞれ一人では解決出来ない悩み事を抱えている。
少年アシベの学校の先生や同級生とそのお母さん、遠い国に住む親友やおじいちゃんとその秘書などなど皆何らかのさみしさや人には言いにくいコンプレックスを抱えていたりと、一人では解決出来ない悩みと共に誰かと寄り添いながら生きていて、そんな姿がアシベ独特の愛嬌ある絵とゴマちゃんの存在感によって可哀相だけど可愛いといった印象がやみつきになりました。
言葉の通じないゴマちゃんとの意思疎通
まだ幼いアシベには言葉の話せないゴマちゃんの気持ちを読み解くことは難しく彼独自の判断で結果ゴマちゃんが困ってしまうというケースがよくあり、観ている私たちはゴマちゃんをなんとかして救出してあげたいという気持ちにかられて、気づいたらゴマちゃんに母性本能が芽生えている事に気づきました。それからはゴマちゃんのぬいぐるみはとても欲しくなり誕生日プレゼントにねだるようになりました。いつも可哀想な結末を迎えるゴマちゃんが時折大好物のアイスやお刺身など食べさせて貰っている姿にはとても心癒されるものがあります。
困っている登場人物をなんとかしてあげたい
アシベの友人ゆうま君のお母さんはセクシー女優さんか何かで家を留守にすることが多く一人で寂しい思いをして過ごしていたり、まおちゃんは身体が弱くてちょっとした事で吐いてしまったりと皆他人事とは思えないような気持ちで観てしまい、大人になってから観ても共感できる部分がいくつもあります。観ていると今度こそは幸せになってほしいと気づけばアシベに出てくる人達を応援するようになり、思い出すたびに胸が熱くなる感じになります。
ありえない不思議が自然で可愛い姿で描かれているから目が離せない
登場人物はそれぞれ悩み事を抱えながら生きているけど、そんな彼らを陰ながら見守り共に生活しているゴマちゃんとスガオ君と暮らす雪男イエティの愛らしい存在が微笑ましいムードを作り上げ、ストーリー全体を支えているように感じられます。いつかはゴマちゃんやイエティは本来いるべき場所に帰ってしまうのではないか、だからこうして一緒に暮らしているのも今だけなのではないかと微笑ましい姿の裏側にはそんな不安や淋しさが浮かび上がって来て一緒に居られる時間を大切にして欲しいとアシベやスガオ君に感情移入してしまいます。
ゴマちゃんやイエティといったありえない不思議が自然と人々と共存してゆくアシベ達の姿がとても魅力的なのだと思います。ストーリーとしては個人的にはもう少し皆が救われるオチがあってもいいのではないかなと思うこともあります。
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