光源氏と愛された女たち - あさきゆめみしの感想

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あさきゆめみし

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光源氏と愛された女たち

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目次

長く愛される源氏物語

この児童小説は平安時代に紫式部が藤原道長をモデルにしたという物語です。

主人公は、光源氏。たくさんの女性から愛された男性ですが一番愛して欲しい人が自分の父親の妻になってしまう。のちにその女性と血縁関係のある若紫を妻にするわけですが。

重度なマザコン光源氏

幼い頃に母親と死別したためか、母親の影を求めてたくさんの女性と恋仲になります。

  1. 今でいうプレイボーイですね!現代だと女性の敵と思われてしましそうですが、やはり帝の子供というだけで許されてしまうんですね…

恋仲になった女性はなんと!14人!

  1. 藤壺の女御(中宮)。光源氏の他に桐壺帝(光源氏の父)が桐壺の更衣ににていると恋い慕う女性。光源氏のマザコンと執着が見られますね。
  2. 葵の上。最初の光源氏の正妻。最初から夫婦関係は冷え切っていた。(光源氏が藤壺に夢中だったかたかもしれない)いくら好きではないからといって正妻をないがしろにするのはいかがかと思う。葵の上は夕霧を生んでなくなってしまう。夫婦間は冷え切っていたと言っても寂しかっただろうなぁと思います。
  3. 紫の上。女三宮が出家してから正室を迎え入れなかった光源氏がもっとも寵愛した女性。藤壺の姪にあたるため顔立ちはそっくり。幼い若紫を自分好みに成長させてしまう光源氏。現代でそんなことをしたら誘拐罪で捕まってしまうよ…!!
  4. 明石の方。光源氏の愛人で明石の女御の母。
  5. 花散里。桐壺帝の妃・麗景殿の女御の妹。
  6. 女三宮。朱雀帝の第三皇女。第二の正妻。出家してしまう。
  7. 空蝉。伊予介の後妻。
  8. 軒端荻。空蝉の義理の娘。空蝉と間違われて関係を持つ。光源氏しっかりしてくれ…そんなの間違えましたハイそうですかで済ませられませんよ!!!!可哀想です…
  9. 夕顔。頭中将の愛人。六条の御息所の生き霊に殺される。
  10. 末摘花。常陸宮の娘。光源氏の愛人のなかで一番のブス。
  11. 源典侍。桐壺帝に使える高齢の女官。
  12. 朧月夜。弘徽殿の女御の妹で朱雀帝の妻
  13. 朝顔の姫君。光源氏に求婚されるも拒み通した。ある意味すごい人。だれもが光源氏を好きになって妻にして欲しいと願うはずなのにそれを拒むのがすごい!自分を持っているんだろうな〜!
  14. 六条の御息所。教養が高い人だが、光源氏への愛が重すぎて恨みになって怨霊になる

女性を不幸にする光源氏

以上の女性をたぶらかしてきた光源氏ですが、関わる女性が大概悲しみ苦しみます。

現代なら裁判沙汰ですが。

愛人の中には誰かの奥さんもいるので、愛人というよりは不倫ですね。一番寵愛されたという紫の上ですら晩年悩んだというくらいですからね。

プレイボーイな旦那さんを貰うと本当に大変ですよね〜!!

中には、光源氏と関わったために亡くなった方夕顔や怨霊になった六条の御息所は本当に光源氏に振り回されて可哀想で仕方ないですよね!!

ただでさえ、六条の御息所は高貴な方で、教養が高い人。いわゆるプライドが高い女性だったわけです。そんな人が自分を捨てて小娘のところに行ったとなれば面白くないのは当然ですよね!!!!

朧月夜も弘徽殿の女御の妹であり弘徽殿の女御の息子朱雀帝の奥さん。関係を持ったのは入内する前えだといっても弘徽殿の女御にバレていたら光源氏はその場で報復されていただろうな…

朱雀帝はそんな朧月夜をゆるしてあいし愛していく。どんだけいい人なんだ!母親に似なくてよかった!朱雀帝は物語上で一度失明しますが光源氏を呼び戻すことで治ったらしい。そんな医者いらずなことがあるのか!?という感じですが平安時代ですし、なにより物語なので問題ないとうことでしょう。

光源氏との関係があると知ってもなお朧月夜を寵愛する朱雀帝は本当に優しくていい人!だからこそ朧月夜も光源氏ではなく朱雀帝を選び出家したんだろうなぁと思いますね。

光源氏が選ばれないシーンを見ると、そうやって一人の女性を大切にできないんだもん当たり前よね!って思ってしまう…

もっとも不幸にした女性といえば私の中では藤壺の中宮ですね。光源氏と関係を持ってしまったことで生まれた冷泉帝。桐壺帝の第十皇子と言われている。母親である藤壺は妊娠をした月から考えれば光源氏の子供だとわかっていただろうし相当辛い思いをしたんじゃないかと思います。自分の子供にも父は光源氏とは言えないですし、桐壺帝の息子だと嘘を吐くのも辛かったと思います。叱咤の念に苛まれたのではないかなと思いますね…

その次に葵の上。左大臣の娘で朱雀帝に妻として求められるも光源氏と結婚。ここで光源氏ではなく朱雀帝を選んでいれば葵の上は幸せに暮らせたのではないかと思います。結婚当初から冷え切っていて、光源氏は他の女の尻を追いかけ回す日々。母の面影を求めてとかよりもやはり正妻である葵の上を大事にできない光源氏に呆れますね。

綺麗な挿絵

この小説を彩る絵を描いているのが大和和紀さん。

大和和紀さんの作品には、はいからさんが通るなどがあります。

とても美しい流れるような絵にうっとりしながら読んだ女子も多いのではないかと思います。

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