バオー続編大予測! - バオー来訪者の感想

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バオー来訪者

3.003.00
映像
3.50
ストーリー
2.50
キャラクター
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声優
4.00
音楽
3.00
感想数
1
観た人
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バオー続編大予測!

3.03.0
映像
3.5
ストーリー
2.5
キャラクター
3.5
声優
4.0
音楽
3.0

目次

OVA化!  

1984年から85年に渡って週刊少年ジャンプに連載した漫画原作を、89年にOVA化したのがこの作品だ。

マンガ単行本は2巻出ているのに対して、本作は46分余りという不思議な短さの尺。

そんなわけで導入から即ラストバトルであり、どう見ても内容が薄っぺらい。

無論、制作費の都合が最大の理由なのだろうが、荒木飛呂彦の出世作とも言える「バオー来訪者」を扱うのだから、出来る事ならもう少し頑張ってほしかったように思う。

スミレと育郎の触れ合いが少ないので何とも納得感がない。

とは言え、原作マンガも中途半端な長さではあった。

明らかに数年後に新たな物語が始まることを示唆して終わっており、第一部完、と言ってもいいようなエンディングだった。

それならば、いっそ続編を作るならこんな感じでどうか、という話を中心にこの記事を書き進めていこうと思う。

荒木ワールドの代名詞・効果音、擬音がちょっと残念

続編大予測の前に、一応OVA自体の事も語っておこう。

まず私が一番言いたいのは、バルバルバルバル!である。

バオー来訪者の話題を振った場合、相手が心ある荒木飛呂彦ファンであれば、バルバルバルバル、とかバオー・ブレイク・ダーク・サンダー・フェミノンっ!とか叫んでくれるのではないだろうか。

ジョジョの話をすれば、当然のように、誰かがゴゴゴゴゴ、とかドドドドドとか、やれやれだぜ、と言ってくれるのと同じだ。

このOVAでは、そのバルバルバルバル!が表されていない。

原作では口で言ってるんだから、普通に声優さんにバルバルって言わせれば良かったのではないか…

その一点だけではなく、本作ではそのような荒木飛呂彦的演出が、残念ながらあまり有効活用されていない。

このOVA制作時点ではジョジョの連載は第2部ジョセフ編:戦闘潮流、または第3部承太郎編:スターダストクルセイダースが始まったくらいで、今ほど荒木飛呂彦の個性が理解されていなかったのだ。

実に残念な話である。

原作との違和感、しかし良い面もある

スミレがなんか違うな、と思ったら眉の位置が普通だった…

原作マンガだとばらつきはあるものの、通常の人間の眉の位置よりおそらく4~5センチほど上にあり、顔の輪郭からはみ出して書かれることすらあったので、昆虫の触覚のようにも見える。

そのためか漫画版の方が面長な印象の顔になっている。

さすがにこれはアニメでは書きにくい、ということで普通の人間と同じような位置にデザイン変更されたのだろう。

OVA版のキャラクターデザインと作画監督は沙那芭美智(さなばよしとも)が務めている。彼は現在、摩砂雪と名乗っており、エヴァンゲリオンの庵野秀明とも親交が深いらしい。

全体に動作はちょっとゆるい気がするが、スミレの作画はまずまずではないだろうか。

そのような意味ではアニメ化によるオリジナル思考も悪い所ばかりではないようだ。

もしも続編を作るなら

荒木飛呂彦がこれほどの人気作家となり、ルーブル美術館に彼の原画が飾られたり、グッチとコラボしたりしている今なら、無限にスポンサーは付くだろう。

CGなどの最新の技術を使って作画レベルを上げ、かつ原作へのリスペクトをもちつつも、当時のまだ未熟な感がある部分を補完して最新作を作ってほしいものである。

できれば完全オリジナルの続編もいいかもしれない。

その場合、もちろんスミレが17歳になった8年後のストーリーだろう。

デザインラフを荒木飛呂彦にしてもらい、スミレをジョジョリオンの広瀬康穂のようなちょっとセクシーなものにしても良いと思う。

 

敵はやはりドレスだろう。

本作OVAで爆発したのはドレスの一研究所でしかなく、その組織はまだ存続している。

そしてドレス内にスミレの予知を知るテレパスが存在するため、バオーの復活は彼らの知る所となる。(面倒くさいのでこのテレパスは第一話で再起不能(リタイア)になってもらおう)

バオーに匹敵する生物兵器との対決を描くことになるだろうが、そのまま何でもありの超人対決を書いても面白くないので、荒木マンガ特有の頭脳戦が成り立つ舞台設定が必要だろう。

 

ジョジョのスタンドバトルは時間をコントロールするとか、予知、鏡の反射を利用する、などが多いが、似たようなバトルをしても意味が無い。

バオーの原作マンガでは動物をモチーフにした敵との戦いも多数あったので、動物的身体技などの特徴で頭脳戦をしてはどうだろう。

例えばトラとグリズリーではどちらが強いか、というだけなら単なる力の戦いだが、パワーやスピード系の戦いなら相手の筋肉量や乳酸のたまり具合などの読み合い、一撃必殺のタイミングを計るとか。

カミキリムシと深海魚はどちらが強いか、という異種格闘技的な闘いも面白いのではないだろうか。

また分泌物を意図的に合成して戦うとか、バオーの既存の力である放電をコイル状に巻いた指を利用して磁界を力に変換し、(フレミングの右手の法則)体液弾を発射して戦うというのはかなり荒木飛呂彦っぽいように思うがどうだろう。

スミレの新しい能力、新しい仲間も必要だろう

スミレは以前から持っていた予知の能力だけだと、ジョジョ第5部のディアボロと似たものになってしまいそうなので何か新しい能力を加えたい。

ドレスのレーザー攻撃で一度は死んだと思われたのに、バオーの体液で蘇る、という演出があったので、その行為によって他の力も身につけた、とすれば説得力があるだろう。

その能力は超聴覚としよう。

スミレは予知と超聴覚でチームのレーダーであり司令塔となって戦うのだ。

途中から仲間になったブチャラティ的なアニキキャラや、ポルナレフ的ノリの軽さのキャラを加えてチーム戦をメインにしよう。

ジョジョでは1対1あるいは1対2などの戦いが多いが、この案では常に複数対複数の戦い、正確な読みと判断を伴う作戦指揮こそが勝利のカギを握る。

まさにスミレがメインで展開するので物語の激しさとビジュアル面での楽しさを作りやすい。荒木飛呂彦は女性キャラを可愛く描き続けることが苦手なので、この部分においてはアニメ化する価値が高い。

これなら確実にジョジョとは違う世界が描けるのではないかと思う。

 

前半はドレスの刺客との闘いが永遠に続くかのように見えるが、ドレスの一チームでありながら組織全体を乗っ取ろうとするグループも現れ、の三つ巴の戦いとなる。

バオーの体液が特殊な才能を引き出すことを敵も理解しており、育郎の生け捕りが大目的でもいいだろう。

ジョジョの世界と違って自然発生的に超能力者がいるようなので、その発生の秘密を語っても面白いだろう。

 

ドレスにも何人かの超能力者がいるが10年という長さの予知をできるものはいない。

それ故スミレの能力が貴重なのだ。

続編第一話はこんな感じ?

あれから8年、育郎が目覚める日は明日だと言うのに、実はスミレは絶望していた。

彼女は三日前ににある予知を見ていた。

10年後、世界は闇に包まれている。ドレスをはじめとする闇の組織によって、暗黒の世界が訪れている、という恐ろしい予知だ。

自分たちはいずれドレスに拉致され、実権体としてデータを取ったうえで殺される。

自分が見た予知は変えようが無い。

それならせめて拉致されるまでの短い時間を、育郎と幸せに生きよう。

そんな自暴自棄にも陥っていた。

しかし。

目覚めた育郎は、スミレの予知と少しだけ違う。

予知はあくまでも似た映像であり、全てがその通りではなかった。

今まで自分の予知は寸分も狂ったことが無いのに、何故?

第一話の戦いの中で、予知をずらすことが出来るのは育郎だけだと気付くスミレ。

育郎の強い意思があれば、未来を変えられるのではないか、そう思うスミレは希望を取り戻す。

 

見えている予知で作戦を立てるが育郎の行動を見ながら予知を細かく修正していき、勝利につなげる。

その複雑な闘いは荒木飛呂彦ワールド的でありながらジョジョ的ではない。

この企画、もっと練り上げて、荒木飛呂彦氏に持ち掛けてみよう。

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