駄目すぎてなかったことにされて気がする新海誠作品 - 星を追う子どもの感想

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星を追う子ども

3.003.00
映像
4.25
ストーリー
3.00
キャラクター
3.00
声優
3.00
音楽
3.00
感想数
2
観た人
2

駄目すぎてなかったことにされて気がする新海誠作品

1.01.0
映像
3.5
ストーリー
1.0
キャラクター
1.0
声優
1.0
音楽
1.0

目次

アニメ史上最低の駄作

センセーショナルな見出しですが私は本気でそう考えています。

新海誠作品自体がそれほどまでのテーマ性や作家性を有しているとは思いませんが、この『星を追う子ども』は本当にひどいです。どこかで見たことのあるようなスタートに、どこかで見たことある作画、どこかで見たことあるキャラクターどれもこれもつぎはぎしたせいで新海誠が何をしたいのか、どこへむかっていきたいのか完全に不明になってしまっています。

基本的にこれを読んでいる人は『星を追う子ども』を見てきた人だと思うのですが、本当にわからなかったと思います。正直この作品のみの単体として扱うには、今これを書いている私にもよくわかっていないです。

しかし、基本的に新海誠作品は一通り見てからだと何をしたかったのかが理解できますので、その観点を用いながら論じ、どういう作品なのか解説していきたいと思います。と同時に、少なからず他の作品のネタも入ることになりますので、神経質な方はここで読むのを止めてすべて一通りの新海誠作品を見てから戻ってくることをお勧めします。

オリジナルがない、新海誠の空虚と作家性の確立

新海誠のデビュー作『ほしのこえ』は個人製作としてはかつていい出来だったため評価されていますが、これも中身すっからかんのくそアニメです。つまるところ、新海誠の出発点が絵がきれいなだけで、中身すっからかんというアンビバレンスからスタートしているのです。例えば、『ほしのこえ』では新世紀エヴァンゲリオンの作中の制服を着た生徒がマクロスに乗るというパクリから始まって、結末は意味不明のゴミです。

2作目の『雲の向こう、約束の場所』では少し作家性が確立できました。男女に絶対に超えることのできない壁を隔てて、それに男女が四苦八苦する中で成長するというものです。

そして、3作目、巷ではバッドエンドの代表格『秒速5センチメートル』では、男女の間に断絶の壁を作るという作家性がより先鋭化されました。今まではSFを中心に物語を紡いでいたのを現実に即したとドラマへと舞台を移行し、丁寧に描写するということに注力した結果、最後は運命の人だと思っていた人との失恋というある種のリアリズムへと至りました。ここで注意してほしいのはバッドエンドではなく、トゥルーエンドを描くということです。別にバッドエンド志向ということではなく、論理的に導かれたエンドに準ずるとうことの耽美がそこにあるということです。

紡いできた作家性の突然の放棄

4作目の『星を追う子ども』の以前2作品までは丁寧に作家性を反映してきた作品だったのにも関わらず、『星を追う子ども』では継ぎ接ぎだらけのゾンビへと逆戻りしてしまっています。

主人公あれ、トトロのメイじゃん!

最初のあの化け物絶対トトロじゃん!

ヘンなあの兄ちゃん、ハウルだろ!

弟はアシタカのパチもんだろ!

なんか暴走エヴァ出てたよね!

なんか獅子神っぽいやつもいたね!

あれ飛行石だよね!?

えっ、ラストなにこれ!???

マジで意味不明です。これを映画館で見ていた人は本当にかわいそうですね、ご愁傷様です。

『星を追う子ども』だけで論じようと思っても上記のような羅列にしかならないと思います。そのくらい意味不明でしたし、継ぎ接ぎだらけでした。また、シナリオにおいても新海誠作品は基本的に長い作品になると一旦途切れさせないと書けない節があり、『雲の向こう、約束の場所』では中盤の夢の中だったかでの再会で途切れているような実質的な2部構成、『秒速5センチメートル』では3部作制を撮っていますが、『星を追う子ども』では話にメリハリがないためだらだらと時間がただ過ぎていく感覚で寝てしまいそうです。つまり駄作です。

単体では本当に語るべき部分がありません。

『星を追う子ども』以降では…

5作目『言の葉の庭』では再びリアルな路線へと回帰していきました。この作品で特徴的なのは、男女が激しく言い争っていた点だと思います。過去の作品ではそのような場面はみられなk…、

『星を追う子ども』でやってた気がするわ。

6作品目『君の名は』ではSFとリアルのバランスが非常に優れており、男女の断絶の壁をついに乗り越えて再会したという大きな成果が見られました。『君の名は』以前にSFを扱った作品と言えば…

『星を追う子ども』やんけ。

つまり、『星を追う子ども』は男女の関係性の調整とSFの取り扱い、新海誠監督が影響を受けた作品に対する諦念を決断するための作品だったのではないかというのが新海誠作品を全て通して考える時分析の結論です。

では『星を追う子ども』は全く見る必要はなかったのか

単体作品としては見る必要がないとしか言えません。

しかし、新海誠作品を見る、または『君の名は』を見るということならば見た方がいい作品です。新海誠作品は基本的にどれも前作の影響を少なからず受けているのは間違いありませんし、特に『君の名は』は全ての過去の作品が見て取れるので見た方が面白く見るはずです。

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スタジオジブリ映画みたい

宮崎アニメっぽさすごく丁寧な作画をされているのが印象的です。アニメーションのクオリティーに驚かされました。「星を追う子ども」制作を指揮した監督は、宮崎アニメの存在をとても意識されたようで、その要素を所々に強く感じます。画風の違いはあるものの、スタジオジブリで制作されたアニメ作品と言われても、納得してしまうものがあります。まず、宮崎アニメテイストを強く感じられたのは、アニメ本編における時代・場所の背景です。時代背景としては、現代社会なのではなく、微妙に昔の時代で描かれています。「星を追う子ども」主人公である渡瀬 明日菜(わたせ あすな)の持つラジオの存在は、それを表す象徴といえます。さらに、明日菜の自宅における家電も現代モデルのものではなく、50年ほど前の時代の家電が描かれています。そして、場所背景においても、都心部ではなく田舎町を背景に描かれており、「となりのトトロ」を彷彿とさせるものが...この感想を読む

5.05.0
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